めさまし新聞(読み)めざまししんぶん

精選版 日本国語大辞典 「めさまし新聞」の意味・読み・例文・類語

めざまし‐しんぶん【めさまし新聞】

  1. 明治日刊新聞。明治一七年(一八八四)に星亨(とおる)自由党機関紙として発刊した「自由燈」の後身「燈新聞」を、同二〇年に改題。翌二一年、星が保安条例で東京退去となったため、村山龍平がこれを買収して「東京朝日新聞」と改題し発刊を続けた。

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改訂新版 世界大百科事典 「めさまし新聞」の意味・わかりやすい解説

めさまし新聞 (めさまししんぶん)

自由民権運動末期に刊行された自由民権派の小新聞(こしんぶん)。自由党は大新聞(おおしんぶん)として1882年6月に《自由新聞》,小新聞として84年5月に《自由灯(じゆうのともしび)》をそれぞれ創刊して,自由民権思想の国民への浸透を図ったが,《自由新聞》(第1次)は85年に権力弾圧と党内抗争によって廃刊となった。《自由灯》は社長星亨を中心に継続して刊行され,一時は東京第一の部数を誇ったが,やはり弾圧を受けて86年1月に《灯新聞》と改題し,さらに翌87年4月に《めさまし新聞》と再改題された。《めさまし新聞》は伊藤博文首相の鹿鳴館でのスキャンダルを報道して改題直後に,8週間もの発行停止処分を受けるなど,軟派記事による権力批判を売物に民権派の小新聞としての伝統を守った。また条約改正問題や三大建白運動などの報道でも,自由民権派の立場を貫いたため,同年,133日間に及ぶ発行停止を受けた。しかし同年末の保安条例で星亨が捕らえられたため,経営危機となり,翌88年7月,《大阪朝日新聞》に買収され,《東京朝日新聞》と改題された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「めさまし新聞」の意味・わかりやすい解説

めさまし新聞
めざまししんぶん

同名の新聞がいくつかある。

(1)1878年(明治11)12月15日、福岡の薬種商藤井孫次郎が創刊した隔日刊紙で、平易な、振り仮名つきの小(こ)新聞。79年8月22日第105号まで発行。25日から『筑紫(つくし)新報』と改題、論説を掲げる。さらに翌年4月『福岡日日新聞』と改題、日刊となる。現在の『西日本新聞』の前身である。

(2)1887年(明治20)4月1日、星亨(とおる)が『燈(ともしび)新聞』(86年1月『自由燈(じゆうのともしび)』を改題)を改題発行した新聞。自由党系の小新聞だったが、頻々たる発行停止と、星が保安条例で帝都退去を命ぜられたため、村山龍平(りょうへい)が買収、紙面を刷新して88年7月10日『東京朝日新聞』と改題、今日の『朝日新聞』に至る。

(3)1893年(明治26)11月15日、上野岩太郎、遠藤安五郎が創刊した自由党系の新聞。95年『東京新聞』、97年『人民』と改題。政友会系となる。

[春原昭彦]

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百科事典マイペディア 「めさまし新聞」の意味・わかりやすい解説

めさまし新聞【めさまししんぶん】

自由民権運動末期の民権派の小新聞(大新聞・小新聞)。1884年創刊の《自由灯(じゅうのともしび)》が弾圧をうけ《灯新聞》に改題,これをさらに1887年に改題したもの。自由党の星亨の経営だったが,彼が保安条例で東京退去となったため,1888年村山竜平が経営権を譲り受け,《東京朝日新聞》と改題。

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デジタル大辞泉プラス 「めさまし新聞」の解説

めさまし新聞〔1893年創刊〕

日本の新聞のひとつ。星亨に学んだ上野岩太郎らが、旧「めさまし新聞」(星が創刊した自由党系の新聞「自由灯(じゆうのともしび)」を前身とする)の名を引き継いで、1893年に創刊。小松三省が主筆をつとめた。1895年、「東京新聞」に改題。同名の新聞が他にも存在する。

めさまし新聞〔朝日新聞〕

日本の新聞のひとつ。1887年4月に星亨が「灯(ともしび)新聞」を改題して創刊。自由党系の新聞だったが、1888年に村山龍平が買収して紙面を刷新、「東京朝日新聞」となる。現在の「朝日新聞」の前身。同名の新聞が他にも存在する。

めさまし新聞〔西日本新聞〕

日本の地方新聞のひとつ。1878年、福岡で創刊された小新聞。1879年、「筑紫新報」に改題。現在の「西日本新聞」の前身。同名の新聞が他にも存在する。

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