モレリ(読み)もれり(英語表記)Louis Moréri

日本大百科全書(ニッポニカ) 「モレリ」の意味・わかりやすい解説

モレリ
もれり
Louis Moréri
(1643―1680)

フランス人で、カトリック僧職にあった博学の人。経歴は明らかでないが1674年に『歴史辞典―聖俗歴史の奇事雑纂(ざっさん)』Le Grand dictionnaire historique, ou le mélange currieux de l'histoire sacrée et profaneを著し、著名な事項、ことに珍しい事項を取り入れ、アルファベット順に初めて配列した。従来の分類によるものより捜しやすいので喜ばれ、彼の死後1759年には20版が発行されたが、これはプロベProvet編10巻であった。V・ユゴーは歴史小説にこの事典を多く用いている。また、フランスのプロテスタント哲学者ベールはモレリの『歴史辞典』に倣って、1697年に『歴史的批評的辞典』Dictionnaire historique et critique三巻を著した。

[彌吉光長]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モレリ」の意味・わかりやすい解説

モレリ
Morelli, Giovanni

[生]1816.2.25. ベロナ
[没]1891.2.28. ミラノ
イタリアの政治家,美術評論家。ミュンヘン大学その他で医学を学んだ。1848年のロンバルディア革命で義勇団長として活躍。1873年には上院議員となり,1874年以降ミラノに定住。宗教団体や公共組織所有の美術品の売買を禁止し,公共物として国家で保護する法案を通過させた。また解剖学によるルネサンス絵画の人体分析「モレリ式美術鑑識法」を創案。死後,美術収集品はベルガモに遺贈された。主著『イタリア絵画の美術評論的研究』Kunstkritische Studien über italienische Malerei(1890)。

モレリ
Morelli, Domenico

[生]1826.8.4. ナポリ
[没]1901.8.13. ナポリ
イタリアの画家。反アカデミズム運動の影響を受けて,自然主義的傾向を発展させた。主としてナポリで活躍。中東風俗や印象派的な色彩を取入れて,詩的幻想の豊かな神秘的宗教画を描いた。

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