日本大百科全書(ニッポニカ) 「モンチチェリ橄欖石」の意味・わかりやすい解説
モンチチェリ橄欖石
もんちちぇりかんらんせき
monticellite
橄欖石の一種。普通、粒状ないし塊状であるが、まれに短柱状の結晶がみられる。苦土橄欖石よりははるかに産出はまれであるが、接触変成作用を受けた石灰岩ないし苦灰岩中に、珪灰(けいかい)石、透輝石、ベスブ石、黄(おう)長石などとスカルン鉱物の一つとして産することが多い。また、超塩基性岩、カーボナタイト、キンバレー岩、アルカリ火山岩などの中にも産することがある。日本では、神奈川県足柄上(あしがらかみ)郡山北(やまきた)町ザレノ沢、広島県庄原(しょうばら)市久代(くしろ)産のものが接触変成岩中、北海道沙流(さる)郡日高町岩内(いわない)産のものが超塩基性岩中の例として知られる。英名は18~19世紀のイタリアの鉱物学者モンチチェリTeodoro Monticelli(1758―1845)にちなむ。
[松原 聰]