カモンイス以後ポルトガルが生んだ最大の詩人といわれ,きわめて複雑で多面的な個性の持主。本名のほかにカエイロAlberto Caeiro,レイスRicardo Reis,カンポスÁlvaro de Camposの名でも詩を発表している。比較的幼いときから南アフリカで生活したこともあって,英語にきわめてたんのうで,英語による詩も数多く残している。現代のポルトガル詩について語るとき彼の詩を無視することはけっしてできないにもかかわらず,彼の存命中にその詩を真に理解する人はほとんどいなかった。言語学者のR.ヤコブソンの評によれば,この詩人はその才能において,1880年代に生まれたストラビンスキー,ピカソ,ジョイス,ル・コルビュジエなどと並び得る人で,これら巨人がそれぞれもつ特徴を総合するかたちですべて有している詩人であるという。彼の膨大な数にのぼる詩は《詩集》(1942-65)として版を重ねている。ほかに,《美学論集》(1946),《美学と文芸批評》(1967)などがある。
執筆者:池上 岑夫
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