ペソア(その他表記)António Nogueira Fernando Pessoa

関連語 散文 邦訳 池上

改訂新版 世界大百科事典 「ペソア」の意味・わかりやすい解説

ペソア
António Nogueira Fernando Pessoa
生没年:1888-1935

カモンイス以後ポルトガルが生んだ最大の詩人といわれ,きわめて複雑で多面的な個性の持主。本名のほかにカエイロAlberto Caeiro,レイスRicardo Reis,カンポスÁlvaro de Camposの名でも詩を発表している。比較的幼いときから南アフリカで生活したこともあって,英語にきわめてたんのうで,英語による詩も数多く残している。現代のポルトガル詩について語るとき彼の詩を無視することはけっしてできないにもかかわらず,彼の存命中にその詩を真に理解する人はほとんどいなかった。言語学者のR.ヤコブソンの評によれば,この詩人はその才能において,1880年代に生まれたストラビンスキーピカソ,ジョイス,ル・コルビュジエなどと並び得る人で,これら巨人がそれぞれもつ特徴を総合するかたちですべて有している詩人であるという。彼の膨大な数にのぼる詩は《詩集》(1942-65)として版を重ねている。ほかに,《美学論集》(1946),《美学と文芸批評》(1967)などがある。
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百科事典マイペディア 「ペソア」の意味・わかりやすい解説

ペソア

ポルトガルの詩人。20世紀前半の西欧の代表的詩人。少年期を南アフリカで送り,英語でも創作。神秘主義的な〈本名〉ペソアのほかに自然詩人カエイロ,異教的・古典的なレイス,ホイットマン流のカンポスなどの〈異名〉でも詩作を行い,それぞれが異なる独自の人格をもつ詩人と考えられる。作品は大部分死後に刊行され,R.ヤコブソン,O.パスなどに激賞され,またA.タブッキに大きな影響を与えている。ソアレスの名で書いた散文《不安の書》も注目されている。邦訳に《ポルトガルの海》。
→関連項目サラマーゴ

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