ラオ語(読み)ラオゴ(その他表記)Lao

翻訳|Lao

デジタル大辞泉 「ラオ語」の意味・読み・例文・類語

ラオ‐ご【ラオ語】

Laoシナ‐チベット諸語に属する言語ラオスタイに居住するラオ族に用いられる。ラオスでは公用語

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精選版 日本国語大辞典 「ラオ語」の意味・読み・例文・類語

ラオ‐ご【ラオ語】

  1. 〘 名詞 〙 ( ラオはLao ) シナ‐チベット語族に属する広義タイ語一つ。ラオスとタイに居住するラオ族によって話される。

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改訂新版 世界大百科事典 「ラオ語」の意味・わかりやすい解説

ラオ語 (ラオご)
Lao

タイ諸語の一つでラオスとタイに分かれて住むラオ族の言語。ラオスでは公用語となっている。ビエンチャン方言ルアンプラバン方言を標準とする。広義にはラオス最北部やタイの東部,北部で行われるラオ語を含めるが,これを区別してユアン語Yuanと呼ぶこともある。こちらはチエンマイ方言が代表的である。ラオ語とユアン語の差異は小さいが,文字が別であるほか一部の音韻対応が異なる。例えば〈ぞう〉はラオ語でsaaŋ,ユアン語でcaaŋという(ちなみにタイ語ではchaaŋ)。一方,タイ祖語の語頭子音群はラオ語,ユアン語とも消滅した。例えばタイ語のplaa〈魚〉はpaaとなった。またñを保存する反面,chとrを欠く。声調はともに6種。文法はタイ語とまったく同じで〈主語+述語+目的語〉と〈被修飾語+修飾語〉が基本語順である。語彙はタイ語に比べて借用語の割合が低く,祖語の古形を多く残している。ラオ語とタイ語はきわめて近い関係にあり,13世紀以前は同一言語であったと推定される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラオ語」の意味・わかりやすい解説

ラオ語
ラオご
Laotian language

ラオスの公用語。ラオスのスは,複数の-sを誤解したためにいわれるようになったもので,みずからはラオという。タイ諸語の一つで,なかでもタイ語に非常に近く,単音節語を主とし,声調を有する。多音節語は大部分借用語で,パーリ語カンボジア語からのものが多い。文字はクメール文字から出たラオ文字使用。使用人口は,ラオス領内で約 300万人,領外で約 1500万人を数える。方言的には,王都のある北のルアンプラバン方言と,首都のある南のビエンチャン方言に2分されるが,最近報告されたヨ語 (ニョ語) はその第3系列をなすものとみられる。

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百科事典マイペディア 「ラオ語」の意味・わかりやすい解説

ラオ語【ラオご】

ラオスおよび北部タイ等に分布するラオ人の言語で,タイ諸語の一つ。東西の2方言に大別され,東ラオ語はラオスの国語となっている。南インド系の文字を使用。タイ語に類似しているが,語頭子音群中の流音が脱落しているのが特徴である。話し手の数は約1600万人。

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世界大百科事典(旧版)内のラオ語の言及

【ラオ族】より

…タイの北部,東北部からラオスにかけて分布するタイ系の民族。タイ北部のピン川流域のラオ族はユアン語(北ラオ語)を話し,モン文字の系統をひくユアン文字を使っていたためユアン族Yuanとも呼ばれる。一方,ラオス,東北タイのメコン川流域に居住するラオ族は東ラオ語を話し,クメール文字の系統をひく東ラオ文字を使っている。これが狭義のラオ族である。前者が腹に入墨を施す風習をもっていたことから,かつてはこれをラオ・プン・ダム(腹の黒いラオ族),後者をラオ・プン・カーウ(腹の白いラオ族)と呼んで区別していた。…

※「ラオ語」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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