ラーム・モーハン・ローイ(読み)らーむもーはんろーい(英語表記)Rām Mohan Roy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

ラーム・モーハン・ローイ
Rām Mōhan Rōy

[生]1772.5.22. インドベンガル
[没]1833.9.27. イギリス,ブリストル
近代インドの先駆的な思想家。社会改革運動の指導者。ベンガル農村のバラモンの家に生まれ,イギリス東インド会社の地方官吏として勤務したあと,1815年カルカッタに定住し,近代西欧思想の影響を受けて多彩な活躍をした。特にウパニシャッドを尊重してヒンドゥー教偶像崇拝を攻撃してその浄化を説き,因習や迷信弊害の除去,サティーの廃止を唱えた。またキリスト教宣教師と神学論争を試み,教育,新聞などを通じて啓蒙に努めた。 1828年ブラーフマ・サマージ設立したのち,インド知識人のなかで最初に渡英し,インドのために政治改革を説いた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ラーム・モーハン・ローイ
らーむもーはんろーい
Rām Mohan Roy
(1772/1774―1833)

近代インドの宗教・社会改革運動の指導者。ベンガル地方のヒンドゥー教ビシュヌ派のバラモンの家に生まれたが、キリスト教の影響を受け、ヒンドゥー教に内在するカースト制度や寡婦殉死などの悪習に反対し、インド社会の改革を目ざした。そのため1828年にはインド・ユニテリアン教会を設立。のちにこの会はブラフマ・サマージに発展した。1830年に渡英し、ブリストルにおいて客死。

[増原良彦 2018年5月21日]

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