リウマチ性心臓病(読み)りうまちせいしんぞうびょう

家庭医学館 「リウマチ性心臓病」の解説

りうまちせいしんぞうびょう【リウマチ性心臓病】

 広い意味では、全身の結合組織をおかす膠原病(こうげんびょう)(強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)、関節かんせつリウマチ全身性エリテマトーデス)やリウマチ熱によっておこる心臓病のことをいい、心筋炎(しんきんえん)、心膜炎(しんまくえん)および心内膜炎(しんないまくえん)などを併発することがあります。
 ただし、一般的にリウマチ性心臓病といった場合は、リウマチ熱による心臓病を意味します。
 リウマチ熱はα溶連菌(アルファようれんきん)という咽喉頭炎(いんこうとうえん)などをおこす細菌の感染が原因とされますが、なかでも、ある特殊なグループの細菌が原因であることがわかっています。
 好発症年齢は、小学校の中~高学年で、幼少時にくり返しα溶連菌による咽喉頭炎などにかかったことが原因と考えられています。
 リウマチ熱による心内膜炎の後遺症としてよくみられるのが心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)です(「心臓弁膜症とは」)。成人してから発見されることが多く、なかでも僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)がよくみられます。さらに、僧帽弁狭窄症(そうぼうべんきょうさくしょう)、大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)または大動脈弁閉鎖不全症(だいどうみゃくべんへいさふぜんしょう)のうち2つ以上を併発することもあります。
 発展途上国ではまだ発症例が多いのですが、日本では抗生物質の適切な使用と衛生環境の改善にともない、新たな発症は減少し続けています。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リウマチ性心臓病」の意味・わかりやすい解説

リウマチ性心臓病
リウマチせいしんぞうびょう
rheumatic heart disease

リウマチ熱によって起る心臓病の総称。急性リウマチ熱による心炎は,心膜炎,心筋炎,心内膜炎および全心炎の形をとる。また,異常心雑音,心膜摩擦音,心拡大,うっ血性心不全がみられる。心筋には特有のアショフ結節が生じる。弁膜は僧帽弁,次いで大動脈弁が侵され,三尖弁と肺動脈弁は侵されにくい。炎症が消退したあとに,弁口の狭窄または閉塞不全症を残す。原因不明とされる心臓弁膜症には,リウマチ熱によるものが多い。

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