心臓には,心房と心室の間に房室弁である僧帽弁と三尖弁が,また動脈弁(半月弁ともいう)として動脈と心室の間に大動脈弁と肺動脈弁の計四つの弁がある。心臓弁膜症とは,この四つの弁自体あるいはその弁の支持組織になんらかの障害が加わり,血流を一方向へ流すという弁本来の生理的な役割が失われ,その結果,心臓ポンプ機能が障害された状態をいう。心臓弁膜症の診断が聴診によってのみ行われた時代,すなわち心音図(心音)や心エコー図,心臓カテーテル法などの診断法が確立される以前の時代には,被検者から異常心雑音を聴取すればそれのみで心臓弁膜症と診断されたため,先天性心疾患,無害性の心雑音をもそのなかに含んでいることが多かった。しかし聴診法の進歩と上記診断法の発展によって,弁の障害のされ方には弁口が狭くなる弁狭窄,および弁の閉鎖が完全でなく逆流を生ずる弁閉鎖不全があり,ときに両者が一つの弁に同時に起こることが明らかとなった。そこで,心臓弁膜症は障害された弁とその弁の状態によって分類され,僧帽弁狭窄症,大動脈弁閉鎖不全症などの名で呼ばれている。また二つ以上の弁の障害が同時にあるいは引き継いで起こることもあり,そのような状態を連合弁膜症と呼ぶようになった。
大動脈弁と僧帽弁のある左心系の障害では呼吸困難を主徴とする左心不全が,肺動脈弁,三尖弁のある右心系の障害によっては浮腫,静脈怒張,肝腫大を示す右心不全が生ずる。これらの病態は弁障害の起り方が急性であるか慢性に経過して起こるかによって発症のしかたに差を生ずる。すなわち弁が障害されても心臓のポンプ機能が代償されている間は症状が現れず,代償不全によって初めて症状を発現するのである。弁障害あるいは弁膜症の症状は原因によってかなりの差がみられる。1980年代以前にはリウマチ熱による弁膜症が主であったが,ペニシリンによるリウマチ熱の予防,治療の成果が表れた80年代以後では,非リウマチ性の弁障害がしだいに多くなって弁膜症患者の半数以上にも及ぶようになった。
リウマチ熱によるリウマチ性弁膜症はβ溶連菌の感染が引金となる後天性弁膜症であるが,非リウマチ性弁膜症には感染,高血圧,心筋梗塞(こうそく)などに伴う後天性弁膜症のほか,生れつきの心臓の奇形による先天性弁膜症が含まれる。頻度からみれば,後天性弁膜症のほうがかなり多い。
(1)リウマチ性弁膜症 僧帽弁が最も多く侵され,次いで大動脈弁が障害される。しかし機能的な弁障害が明らかでなくても,超音波心エコー図,心血管造影法の診断を借りれば,ほとんどの例で両弁が同時に障害されていることが明らかとなった。右心系の肺動脈弁,三尖弁の障害はまれにしかみられない。リウマチ性心炎発症時にみられる急性の変化はほとんどが閉鎖不全で,血液の逆流現象がみられ,心筋炎と相まって心不全に陥りやすい。治癒せずに慢性化すると,弁膜と感染菌との間に免疫学的な相互作用によって弁の障害が起こり,十数年間にわたり徐々に進行してなんらかの弁狭窄を生ずるか,あるいは逆流を伴わない純型の狭窄を生ずることがある。心臓はこの間,長年にわたって適応するが,適応不全に陥ると心不全となる。
(2)非リウマチ性弁膜症 黄色ブドウ球菌,緑色連鎖球菌などによるリウマチ熱起炎菌以外の感染性心内膜炎では,僧帽弁,大動脈弁の穿孔(せんこう)や僧帽弁の支持組織である腱索の断裂などが起こり,急性の弁障害が発生する。これらの場合,閉鎖不全の型をとるため左心室から左心房にかけて急激な容量負荷と同時に圧負荷がかかり,左心不全を引き起こす。
非リウマチ性弁膜症のなかには,さらに他の心血管疾患に伴う続発性の弁膜症がある。慢性に経過した高血圧症で大動脈弁閉鎖不全が起こったり,左心室が拡張する拡張型心筋症によって僧帽弁閉鎖不全が起こる場合がその例であるが,これらは高血圧や心筋症の治療によってそれぞれ血圧が低下したり,左心室内腔が正常化したときには弁の閉鎖不全も軽快,治癒する。その意味で続発性弁膜症あるいは二次性弁膜症という言葉が用いられる。まれな疾患であるが重視されているものに,心筋梗塞が乳頭筋に生じ,乳頭筋収縮不全のために僧帽弁逆流が起こるもの,解離性大動脈瘤,大動脈中層壊死(マルファン症候群)に伴う大動脈弁閉鎖不全,女性に多くみられる高安病などがある。いずれも急激に合併症として発現することがあり,逆流が強いと左心不全となる。これらは自覚症状,聴診,心電図,超音波心エコー図,胸部X線写真などを注意深く観察すれば診断が可能である。
先天性弁膜症のなかにはチアノーゼを示すものとして三尖弁閉鎖,肺動脈弁閉鎖,重症肺動脈弁狭窄などがあり,チアノーゼを示さないものとして,心房中隔欠損や心室中隔欠損を伴った僧帽弁閉鎖不全や,大動脈弁狭窄があり,これには大動脈縮窄や動脈管開存の心臓の奇形が合併する。しかしいずれも先天性心疾患の3%以下と発生率は少ない。先天性心疾患をもったものが成人になるにつれて弁障害を合併してくることがある。そのなかには機能性のものもあるが,感染性心内膜炎を起こしやすい心疾患や,弁障害を併発しやすい心房あるいは心室中隔欠損などがある。
予後を決定する因子としては,(1)弁の侵され方が急性か慢性か,(2)障害等の部位と程度,(3)不整脈,塞栓,狭心症などの合併症の有無,(4)リウマチ熱や細菌性心内膜炎の再燃などが重視される。弁膜症の内科的な治療はおもに心不全の治療に対して行われる。利尿薬で肺鬱血(うつけつ)・静脈鬱血を取り除き,強心薬で心臓の収縮力を増し,血管拡張薬によって心臓の負荷をとることが基本的な方針である。これらの方法によっても心不全が軽快しない場合には外科的治療を行う。手術は,まず日常の労作によってもすぐ動悸,息ぎれ,狭心症などが発現し,弁の修復によって元の心臓機能にもどることが期待されるものに対して行われる。一方,原因疾患としてリウマチ熱,細菌性心内膜炎が考えられる場合には,その再燃に対する予防を行う。
弁膜症患者の妊娠,分娩,外科的手術は病気の増強因子として問題となる。ただ,弁膜症患者であるというだけで妊娠中絶をする必要はなく,かなり自然分娩に耐える場合が多い。一般的には心臓の拡大と肺鬱血などの心不全状態があり,投薬を一時的に中止すれば重篤な心不全状態に陥るような場合には,まず心臓の外科的治療を優先する。人工弁患者でも分娩は不可能ではない。外科的手術はその重要性によって,危険を冒しても行うべきかどうかの判断をする。
弁膜症患者に対する日常生活指導としては,食塩・水分の抑制,禁煙,安静時間の厳守,入浴の制限,必要十分なタンパク質,ビタミンの摂取等があげられる。
以下,代表的ないくつかの心臓弁膜症について解説する。
(1)僧帽弁狭窄症 リウマチ性心炎発症後十数年経過した後に発症する。女性に多く,風邪,妊娠などをきっかけに労作性呼吸困難を初発症状とする。重症度診断は自覚症状がしだいに悪化するということと,超音波心エコー図による。弁口面積が1cm2以下(正常では約4cm2)の症例では左心房が拡大し不整脈を生ずるようになる。不整脈(絶対性不整脈,心房細動)発症後は左心房に血栓が生じやすく,そのために脳梗塞の危険が増す。また肺鬱血を伴う心不全が増強する場合には外科的手術が必要になる。手術としては,弁切開術または人工弁置換術を行うが,前者では手術後,症状が軽快するものの5~10年後に再狭窄を起こすこともある。また後者では抗凝血薬の投与が必要となる。手術死亡率は数%にすぎない。
(2)僧帽弁閉鎖不全症 リウマチ性のものでは,心炎を伴う急性期を過ぎれば慢性化し,左心房が拡大するため,逆流血の影響が修飾され,呼吸困難などの症状が一時軽快する時期がある。内科的治療にもよく反応し,数十年間日常労作には無症状のこともある。進行的に悪化する場合には外科的弁置換術を行う。その際の重症度診断には,心拡大の程度と心臓カテーテル,心臓ドプラー法などによる逆流の観察が重視される。感染性心内膜炎によるものは急性に増加し,ときに緊急手術が必要となることがある。他の心血管疾患に伴う左心室拡大が原因となる場合には軽症のことが多く,原因疾患の治療によって軽快する。
(3)僧帽弁逸脱症候群 クリック症候群ともいう。非リウマチ性僧帽弁閉鎖不全で最も多くみられる。僧帽弁の一部あるいは全体が左心房の中へ隆起状に突出し,通常,血液の逆流を伴う。診断は心音図,超音波心エコー図,左心室造影による。単独でも起こるし,他の心疾患との合併症としても起こる。前者では弁や腱索の粘性変性によるが,後者では僧帽弁を支持する乳頭筋に心筋梗塞が起こったり,断裂が起こることによって生ずる。また拡張型心筋症,肥大型心筋症に合併して起こることがある。先天性心疾患である心房中隔欠損や,マルファン症候群などにも合併する。通常,85%は予後良好で外科的手術は必要としない。
(4)大動脈弁狭窄症 後天性のものではリウマチによるものが多いが,まれに老人の弁石灰化に伴って起こることがある。先天性のものでは本来3枚の弁で構成されている大動脈弁が2弁になっていることが多いが,ときに1弁のこともある。似たものに大動脈弁上あるいは弁下狭窄がある。弁口部が狭くなり弁の開放制限が起こるため,動脈の血圧は正常でも左心室内圧は50~150mmHg高くなる。手掌を前胸部上部にあてると振戦を触れることがある。超音波心エコー図,左心室造影法によって狭窄の程度を知ることができる。心不全,狭心症,失神発作が特徴的で,このような症状がみられるようになると予後不良となり,突然死の危険があるので外科的手術が必要となる。
(5)大動脈弁閉鎖不全症 左心室から駆出された血液が逆流してくるので,1回に出される血液の量が増す。したがって左心室と大動脈起始部は症状の進行に伴ってしだいに大きくなる。最大血圧は高く,最低血圧は低くなる。詩人のA.deミュッセがこの病気にかかり,絶えず首をうなずくように振っていたので,大動脈弁閉鎖不全患者が重症となってこの症状が出現すると,〈ミュッセの所見あり〉という。心臓はよく適応するが,いったん心不全に陥ると急激に悪化するので,動悸,息ぎれなどの自覚症状が生じた場合,心臓カテーテル法あるいは超音波心エコー法・ドプラー法などの検査を受けて逆流状態と左心室拡大の状態をみて弁置換手術を受ける必要がある。
(6)三尖弁閉鎖不全症 右心室から右心房へ逆流が起こるので右心房,右心室の拡大を起こす。症状が進行すると静脈怒張,浮腫,肝腫大などの右心不全をきたす。三尖弁あるいは支持組織が先天性あるいはリウマチ性病変などによって器質的変化を起こす場合と,左心不全のために逆行的に肺動脈の圧が高まって右心室が拡大し機能的な弁障害をもたらす場合とがある。前者は右心不全が重篤であれば弁置換の外科的手術が必要であるが,後者では左心不全の原因を取り除けば自然に治癒する。ときに弁輪の縫縮術を必要とする場合がある。
→心臓 →心不全
執筆者:柳沼 淑夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
心臓には
それぞれの弁のはたらきは部屋のドアと同じと思ってよいでしょう。房室弁の場合は、血液が心房から心室に流入する時には開かれ、心室から動脈に血液が押し出される(
このように心臓の各弁は、血液を効率よく循環させるために非常に大切なはたらきをしています。この弁のはたらきが損なわれる病気が心臓弁膜症です。
心臓弁膜症には、血液の流入や駆出が損なわれる
心臓の4つの弁それぞれに狭窄症と閉鎖不全症がありますが、損なわれる頻度が多いのは僧帽弁と大動脈弁です。2つ以上の弁が同時に侵されることもあり、その場合は
先天性と後天性があります。後天性のものにはリウマチ熱が原因になるリウマチ性
ここで、リウマチ性心臓弁膜症を理解するためにリウマチ熱について簡単に解説します。リウマチ熱は、溶連菌(
リウマチ熱の治療にはペニシリンを用いますが、最近はリウマチ熱そのものがまれな病気になってきています。なお、溶連菌感染症には、リウマチ熱のほかに
症状は心不全症状です。また、個々の弁膜症に特徴的な症状がありますが、それぞれの項で解説します。
聴診や心音図、胸部X線検査、心電図による検査を行います。最近は心エコー(超音波)検査が非常に進歩し、ほとんどの弁膜症を生体を傷つけることなく診断したり、重症度を判定したりすることができます。
心エコー検査には胸の上から行う通常の方法と、胃の内視鏡のように食道から行う方法があります(経食道心エコー法)。心臓カテーテル検査が必要になることもあります。
薬物による内科的治療と外科手術とに大きく分けられます。心不全症状がある場合には、利尿薬やジギタリス製剤を内服します。安静時にも症状があったり、胸水や浮腫(むくみ)がひどい時には、入院して利尿薬の静脈注射やカテコラミン製剤の点滴などを行います。
手術するかしないかは、学会で定められたガイドラインに従って判断していきます。
症状が何もなくても検診などで異常を指摘された場合には、一度は循環器専門医の診察を受け、最低限、心エコー検査を行うべきです。症状がある場合には、循環器専門医による治療が必要です。
一般的な生活上の注意は、十分な休養と塩分の制限です。どのくらい運動できるかは個人により異なるので、主治医にたずねてください。
橋本 裕二
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
心臓弁膜の変形によって弁の作用が障害され、血流に異常を生じたもので、心臓疾患のなかでも主要な部分を占める。心臓がポンプとして十分な機能を発揮するためには弁の開閉が適切でなければならないが、種々の原因によって弁装置が変形をきたすとポンプ機能が低下して、ついには心不全となる。
全身を循環する血液はまず右心房に集まり、右心室、肺循環、左心房、左心室という順序で流れていき、そこから大動脈に出て全身に回っていく。心臓内には右心房と右心室との間に三尖弁(さんせんべん)、右心室から肺動脈に移行するところに肺動脈弁、左心房と左心室との間に僧帽弁、左心室から大動脈に出るところに大動脈弁がそれぞれあり、血液が逆流しないように一方向へ血液を通過させている。これらの弁に故障がおき、弁膜が完全に閉じないで血液が逆流する場合を閉鎖不全、弁膜が十分に開かないで血液の流れを妨げる場合を狭窄(きょうさく)という。すなわち、四つの弁膜にそれぞれ閉鎖不全や狭窄がおこりうるわけで、ときにはその両者がいろいろな程度に合併して生じたり、一つの弁だけでなく二つ以上におこることもある。これを連合弁膜症とよぶ。しかし、全身に血液を送る左心室のほうが、肺へ血液を送る右心室よりも仕事量が多く、また弁の負担も大きいので、左心室のほうにある僧帽弁と大動脈弁に故障のおこることが多い。
[竹内慶治]
原因としては、リウマチ性、梅毒性、細菌性、動脈硬化性や先天性のものなどがある。このうち、リウマチ性心臓弁膜症がもっとも多い。部位としては僧帽弁、ついで大動脈弁が冒される。しかし最近は、リウマチ性のものは小児期リウマチ熱の治療が進歩して減少しつつある。梅毒性では大動脈弁が冒されて閉鎖不全となるが、近年やはり減少傾向にある。動脈硬化性も同様に主として大動脈弁が冒される。細菌性心内膜炎(敗血症)の場合は既存の大動脈弁や僧帽弁の弁膜症に合併しておこり、さらに悪化させることがほとんどである。そのほか、弁の粘液変性や外傷による弁膜症が最近報告されている。また先天性では大動脈弁のほか、肺動脈弁、三尖弁の障害が多い。なお、心臓弁膜症のなかに機能的弁膜症とよばれるものがある。たとえば、三尖弁閉鎖不全の多くは弁膜そのものには病変がなくて、重症な僧帽弁の弁膜症のために右心室の機能不全をきたし、二次的に三尖弁輪が拡大して逆流するようになる。これを機能的または二次的三尖弁閉鎖不全とよぶ。
[竹内慶治]
心臓の弁膜が障害されると、弁の機能を代償するために心臓の仕事量が増大する。その結果、心臓は肥大、拡張してくる。初めのうちはなんとか血液循環に支障をきたすことなくやっていられるが、多くの場合、ついには代償作用もできなくなり、心不全の症状が現れるようになる。すなわち症状としては、代償作用が完全である間は無症状であるが、進行するにつれて運動時の息切れ、動悸(どうき)、さらに悪化すれば安静時の呼吸困難、心臓痛、チアノーゼ、起坐(きざ)呼吸、心臓性喘息(ぜんそく)、浮腫(ふしゅ)、肝腫大、腹水、静脈怒張などの心不全症状を現してくる。一方、軽症のまま天寿を全うするものもあり、何十年もかかって徐々に悪化するものもある。また弁膜破壊の高度なものは、すぐに心不全に陥る。
[竹内慶治]
冒された弁膜部位は心雑音の聴取、胸部X線検査、心電図所見などで容易に診断できる。さらに左右の心臓カテーテル検査、心臓血管造影法、超音波診断法などによって診断を確定し、病状の進行程度を知ることができる。
[竹内慶治]
弁の機能が十分に代償されていれば特別な治療を必要としない。心不全の徴候があれば、ジギタリスなどの強心剤や種々の利尿剤を投与する。弁の障害が著しく心不全を繰り返すときは、外科的治療が必要である。可動性の保たれている僧帽弁狭窄に対しては、弁の接合部や移行部(交連部という)を切開(交連切開術)して弁口を拡大する。可動性の失われた僧帽弁狭窄や逆流の著しい僧帽弁閉鎖不全、大動脈閉鎖不全、三尖弁閉鎖不全および大動脈弁狭窄に対しては、人工弁または生体弁による弁置換術が行われる。弁輪縫縮術や弁形成術の手術法もある。近年、弁膜症に対する外科的治療の向上には著しいものがある。
[竹内慶治]
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…鬱血性心不全時には肝臓は腫大し,やや硬く触れ,鬱血肝といわれる。とくに心臓弁膜症では右心不全を合併するときは,肝腫大が著しく圧痛がみられる。種々の代謝性肝臓疾患,たとえば,鉄蓄積によるヘモクロマトージス,アミロイド蓄積によるアミロイドーシス,グリコーゲンによる糖原病などでも肝腫大がみられる。…
…リウマチ性心炎と診断された場合,治療には副腎皮質ホルモン剤が必要である。副腎皮質ホルモン剤のない時代には,心炎による心不全で死亡することもあり,リウマチ熱の治癒後も心臓弁膜症を残すことが多かったが,早期に副腎皮質ホルモン療法を開始すれば弁膜症への移行を防ぐこともできる。リウマチ熱は再発しやすい病気で,再発をくり返すごとに弁膜症になるものが増え,また重症化するので,ペニシリンを長期間服用することによって,再発を予防することが重要である。…
※「心臓弁膜症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...
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