リビングストン鉱(読み)りびんぐすとんこう(その他表記)livingstonite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「リビングストン鉱」の意味・わかりやすい解説

リビングストン鉱
りびんぐすとんこう
livingstonite

水銀(Hg)とアンチモン(Sb)のみからなる唯一の硫塩鉱物であると同時に、過剰の硫黄(いおう)(S)を含むことが実証されている種。すなわち構成成分の硫化物における通常の原子価として、水銀二価、アンチモン三価を設定するとHgS・2Sb2S3=HgSb4S7となるのに対し、この鉱物化学式はHgSb4S8となることが、結晶構造解析や新しい化学分析結果、合成実験や合成物の分析結果などによって示されている。自形は針状、長板状、板状など。低温交代鉱床、堆積(たいせき)性硫化鉄鉱床などに産し、辰砂(しんしゃ)、輝安鉱、黄鉄鉱自然硫黄などと共存する。日本では岩手県松尾村(現、八幡平(はちまんたい)市松尾)松尾鉱山閉山)の硫黄鉱床中に少量を産した。命名はイギリスの宣教師でアフリカ探検家のリビングストンにちなむ。

加藤 昭 2018年12月13日]


リビングストン鉱(データノート)
りびんぐすとんこうでーたのーと

リビングストン鉱
 英名    livingstonite
 化学式   HgSb4S8
 少量成分  ―
 結晶系   単斜
 硬度    2
 比重    4.98
 色     黒灰
 光沢    金属
 条痕    暗赤
 劈開    一方向に完全
       (「劈開」の項目参照

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最新 地学事典 「リビングストン鉱」の解説

リビングストンこう
リビングストン鉱

livingstonite

化学組成HgSb4S8の鉱物。単斜晶系,空間群A2/a, 格子定数a3.0567nm, b0.4015, c2.1465, β103.39°, 単位格子中8分子含む。黒灰色,ダイヤモンド~金属光沢,針状~柱状結晶。劈開{001}完全,{010}・{100}不明瞭,湾曲性,硬度2,比重4.8~4.88(測定値),4.58(計算値)。反射光で白色,深紅色の内部反射。低温の鉱脈鉱床から辰砂・輝安鉱・自然硫黄・石膏などとともに産出。岩手県松尾鉱山から見いだされている。スコットランドのアフリカ探検家D.Livingstone(1813~73)にちなみ命名。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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