リョウ鉄鉱(読み)りょうてっこう(その他表記)siderite

翻訳|siderite

改訂新版 世界大百科事典 「リョウ鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

リョウ(菱)鉄鉱 (りょうてっこう)
siderite

鉄鉱石一つ。化学成分はFeCO3。MnCO3ならびにMgCO3との間に連続固溶体をなし,CaCO3との間に部分的固溶体をなす。六方晶系に属し,普通菱面体をなす。結晶面は湾曲している場合が多い。ブドウ状,魚卵状の集合体としても産出する。へき開は{1011}に完全,モース硬度3.5~4.5,比重3.96。灰色,黄灰色,緑灰色,褐赤色など,半透明ないし亜半透明。冷塩酸に徐々に溶け,熱塩酸には発泡して溶ける。層状堆積性鉱床に産するほか熱水鉱床の脈石鉱物として,また玄武岩の晶洞中にも産出する。sideriteはギリシア語のsidēros(鉄)に由来する。
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百科事典マイペディア 「リョウ鉄鉱」の意味・わかりやすい解説

リョウ(菱)鉄鉱【りょうてっこう】

シデライトとも。組成がFeCO3の鉱物。方解石同形で,しばしばCo,Mn,Mgの炭酸塩と固溶体を作る。三方晶系。結晶はふつう菱面体。へき開は完全で,著しい複屈折を示す。白,黄,灰色などで,ガラス光沢。比重3.96,硬度4。石灰岩粘板岩雲母片岩片麻岩や鉱脈中から産出。

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化学辞典 第2版 「リョウ鉄鉱」の解説

りょう鉄鉱
リョウテッコウ
siderite

方解石系鉱物の一つ.組成式FeCO3.六方晶系.淡~濃茶色.硬度3.5~4.密度3.71~3.94 g cm-3.へき開{1011}に完全.鉄の主要な鉱石の一つ.

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