日本大百科全書(ニッポニカ) 「リリエンソール」の意味・わかりやすい解説
リリエンソール
りりえんそーる
David Eli Lilienthal
(1899―1981)
アメリカのTVA(テネシー川流域開発公社)理事長、原子力委員会初代委員長。イリノイ州に東欧系移民の子として生まれる。ハーバード大学を経てシカゴで弁護士を開業(1923~1931)。1931年ウィスコンシン州公益事業委員会に入り手腕を発揮、1933年ルーズベルト大統領に懇請され創設されたTVA理事に転ず。ニューディール改革派として地域開発計画を推進、第二次世界大戦期には理事長を務めた。1946年マンハッタン計画の移管に伴い原子力委員会が設立され、初代委員長に就任(~1950)。ベトナム戦争最中の1969年には、南ベトナムの戦後開発計画をまとめグエン・バン・チュー南ベトナム大統領に提出している。主著に『TVA――民主主義は前進する』がある。
[牧野 裕]
『末田守・今井隆吉訳『リリエンソール日記』全3巻(1968~1969・みすず書房)』▽『和田小六他訳『TVA』(1979・岩波書店)』