リロ(英語表記)George Lillo

改訂新版 世界大百科事典 「リロ」の意味・わかりやすい解説

リロ
George Lillo
生没年:1693-1739

イギリス劇作家。《ロンドン商人》(1731),《命取り好奇心》(1736)などの家庭悲劇の作者として知られる。ことに前者は,貴族ではなくブルジョアを登場人物とし,大部分せりふ韻文ではなく散文で書かれている点で,イギリス最初の市民悲劇とされ,現代の評価は低いが演劇史的には画期的な作品であった。ディドロレッシングなど,ヨーロッパ大陸の作家にも大きな影響を与えた。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リロ」の意味・わかりやすい解説

リロ
りろ
George Lillo
(1693―1739)

イギリスの劇作家。代表作『ロンドンの商人』(1731)は悪女に唆されて金のために善良な伯父を殺してしまった商家青年の罪と悔恨の物語。これは大好評を博して家庭悲劇の流行を促し、海外にまで影響を与え、多くのパロディーをも生んだ。これと同じく古いバラードに素材をとった『命がけの好奇心』(1736)も大当りをとり、ドイツの運命悲劇流行に影響を与えた。彼は実りの少なかった18世紀悲劇の担い手の1人に数えられるが、作品の数は数編にすぎない。

[中野里皓史]

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世界大百科事典(旧版)内のリロの言及

【悲劇】より

…ここに悲劇の崩壊の萌芽が認められる。
[悲劇の変質]
 G.リロの《ロンドンの商人》(1731初演)は,イギリス演劇史では画期的な作品であった。これは貴族や英雄ではなくてブルジョアを主人公とし,韻文ではなくて散文のせりふを多く含みながら,悲劇と銘打たれていたからである。…

※「リロ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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