ルオ族(読み)ルオぞく(英語表記)Luo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルオ族」の意味・わかりやすい解説

ルオ族
ルオぞく
Luo

ケニアを中心に,南スーダンからタンザニアにかけて居住するナイル語系諸族の一民族。言語はナイル諸語に属するルオ語を話す。人口は 300万人をこえると推定される。漁業,牛牧,農耕を行なうが,今日ではかつての牧畜に代わって農耕が最も重要である。社会生活の基本単位は一夫多妻家族で,これを中心としてホームステッドを構成し,各レベルの地域社会に,中心となる優勢な父系出自集団がある分節社会である。政治の中心は長老たちであるが,イギリス植民地化以前は地域集団(ピニー,オガンダ)によっては首長権が確立しつつあるところもあった。世界観は死者およびジュオギと呼ばれる精霊が中心で,供犠は主としてこれらの存在に向けられる。宗教的職能者としては,占い師,一種の呪術師(ジャビロ),霊媒(ジャジュオギ)などがおり,重要な役割を果たす。妖術も重要で,毒などを用いたり,邪視などを行なう。

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