ルッソ(読み)るっそ(英語表記)Ferdinando Russo

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ルッソ」の意味・わかりやすい解説

ルッソ
Russo, Luigi

[生]1892.11.29. デーリア
[没]1961.8.14. ピエトラサンタ
イタリアの評論家。クローチェの影響から出発。デ・サンクティスを知るに及んで,詩と非詩,作品と作家を等価に総合的に評価すべきであると主張した。『レオナルド』『新イタリア』誌を主宰主著『ジョバンニ・ベルガ』 Giovanni Verga (1920) ,『批評方法の諸問題』 Problemi di metodo critico (29) ,『現代文芸批評』 La critica letteraria contemporanea (42~43) ,『マキアベリ論』 Machiavelli (45) 。

ルッソ
Russo, Ferdinando

[生]1866. ナポリ
[没]1927. カーポディモンテ
イタリアの詩人小説家劇作家。ナポリ方言による詩篇,同じく庶民生活を写実的に描いた小説多数を著わし,ベリズモ (真実主義) の作風と通じ合うものがあった。代表作に『ソネット集』 Sunettiata (1887) ,『ナポリ詩集』 Poesie napoletane (1910) ,『ナポリの田舎娘たち』 Villanelle napoletane (33) 。

ルッソ
Russo, Vincenzio

[生]1770.6.16. カンパーニア,パルマ
[没]1799.11.19. ナポリ
イタリアの政治思想家。ジャコバン主義者の嫌疑を受けてスイス亡命。のちにローマで『政治思想』 Pensieri politici (1798) を著わすが,そこには抽象的な哲学思想と,実践的具体的解決を求める姿勢とが混在している。 1799年ナポリ共和国法制委員となるが,共和国政府の崩壊に際して処刑された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルッソ」の意味・わかりやすい解説

ルッソ(Luigi Russo)
るっそ
Luigi Russo
(1892―1961)

イタリアの批評家。ピサ大学教授。リソルジメント(国家統一運動)期の大批評家、デ・サンクティスから学んだ歴史主義と社会的倫理観点にたって、クローチェ美学が狭めた「詩的なるもの」の範囲を広げることに努めた。とくにボッカチオ、マキャベッリ、マンゾーニ、ベルガらの研究において独自の優れた視点を示す。なお『ベルガ論』(1919)は、忘れ去られていたベリズモ(真実主義)の大作家を発掘した点でも重要である。

[林 和宏]


ルッソ(Ferdinando Russo)
るっそ
Ferdinando Russo
(1866―1927)

イタリアの詩人。ナポリ生まれ。ジャーナリストとして活躍する一方で、ナポリ方言を駆使しながら、時代や社会に対する鋭い現実感覚に支えられた詩編の数々を書いた。代表作は『マガンツァ家のガーノ』(1885)、『小ソネット集』(1887)、『天国で』(1891)、『吟遊詩人』(1895)など。また『ルチェッラ・カテーナ』(1920)など戯曲も執筆した。

[鷲平京子]

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