改訂新版 世界大百科事典 「ルーダキー」の意味・わかりやすい解説
ルーダキー
Rūdakī
生没年:?-940
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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ペルシアの詩人。サマルカンド近郊のルーダクに生まれ、生地にちなみルーダキーと号す。「詩人の父」「詩人の帝王」の異名で知られるように、初期ペルシア詩の最大の詩人。サーマーン朝ナスル2世に宮廷詩人として仕え、「ブハラ宮廷の華」とうたわれたが、晩年は不遇であった。頌詩(しょうし)、叙情詩、叙事詩、四行詩などあらゆる詩形で10万句以上作詩したと伝えられるが、大部分は散逸し、約1000句が現存するにすぎない。ペルシア古典詩の主流をなすホラサーン・スタイルの基礎を確立した。素朴、平明な文体を特色とし、インド説話を起源とする『カリーラとディムナ』の作詩者としても名高い。
[黒柳恒男]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…しかし9世紀は揺籃期で,10世紀にブハラを都として中央アジアとイラン東部を支配したサーマーン朝が民族文化政策を採り,ササン朝滅亡以来絶えていた宮廷詩人制度を復活させ,ペルシア詩人の保護・奨励に努めた結果,〈ペルシア文芸復興〉が起こり,この時代にペルシア文学の基礎が確立された。〈ブハラ宮廷の華〉とうたわれたルーダキーは10世紀を代表する大詩人で,頌詩(カシーダqaṣīda),叙事詩(マスナビーmathnavī),抒情詩(ガザルghazal),四行詩(ルバーイーrubā‘ī)などペルシア詩の主要な詩形をすべて用いて作詩し,後世〈ペルシア詩の祖〉と仰がれた。この時代の大きな特色は宮廷詩人による頌詩と民族叙事詩の勃興で,ともに時代精神の反映であった。…
※「ルーダキー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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