レンジナ(読み)れんじな(英語表記)rendzina

翻訳|rendzina

日本大百科全書(ニッポニカ) 「レンジナ」の意味・わかりやすい解説

レンジナ
れんじな
rendzina

ヨーロッパの内陸地方の石灰質岩石地帯に生じた土壌で、名称はポーランド語に由来する。冷温帯湿潤地域の森林草原の移行帯に分布しているが、石灰岩泥灰岩という地質母材に限定されている点で、間帯性土壌の一つとみなされる。しかし同じ石灰岩地に生成するテラロッサが温帯ないし亜熱帯の気候と植生に対応するので、気候条件もこの土壌の発達には大きく関与している。石灰質母材の影響を強く残して炭酸塩分に富むと同時に多量の腐植を含み、粗粒で暗灰色の表土と石灰集積のみられる全層に特色がある。このような土層の状態からみて耕作した場合の肥沃(ひよく)度はかなり高く、さらに内陸の半乾燥地帯のチェルノゼムに移行する場合もありうる。

[浅海重夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「レンジナ」の意味・わかりやすい解説

レンジナ
rendzina

石灰岩風化物を母材とし,温帯ないし冷温帯の湿潤気候地域下に生成した腐植に富む土壌。炭酸カルシウム集積層をもち,チェルノゼム類似。肥沃度は高い。日本には存在しないといわれる。

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