わが青春に悔なし

  • わがせいしゅんにくいなし

世界大百科事典 第2版の解説

1946年製作の東宝映画。黒沢明監督の戦後第1作(《虎の尾を踏む男達》が終戦直後に完成していたが,占領軍検閲によって公開を保留され,1952年まで公開されなかった)。木下恵介監督の戦後第1作《大曾根家の朝》(1946)とともに戦後の日本の〈民主主義映画〉のさきがけをなした名作で,脚本は《大曾根家の朝》の脚本も書いている戦前からの社会主義リアリズムの劇作家久板(ひさいた)栄二郎である。 言論思想の自由が弾圧された京大の〈滝川事件〉と国際スパイ事件と騒がれた〈ゾルゲ事件〉をモデルにして,苦境の中で〈自我〉に目覚め〈自我〉を貫いて生きた一人の女性像を描く。

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