ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワルシャワ公国」の意味・わかりやすい解説
ワルシャワ公国
ワルシャワこうこく
Księstwo Warszawskie
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1807年ティルジットの和約によってナポレオン1世が創設した国。ポーランド第二次・第三次分割でプロイセン領になった地域をもとに成立。1809年には、第三次分割でオーストリア領となった地域を加えた。自由主義的な憲法が与えられ、ポーランド人の政府・行政組織がつくられ、一部有産市民にも代議員の選挙権が与えられた。また農奴制が廃止されたが、賦役制は存続した。祖国再興の第一歩としてポーランド人の期待を集めたが、ナポレオンの没落後ウィーン会議の決定によって、大部分が「ポーランド王国」(ロシア皇帝が国王を兼任)として、実質上ロシア帝国に編入された。しかし、公国時代の自治制度は、「ポーランド王国」に大部分継承された。
[安部一郎]
…すでに1794年,コシチューシュコは蜂起を前に,フランスに援助を要請している。このときは援助は具体化しなかったが,1797年にはイタリアで,最初のポーランド人部隊がナポレオンの了解のもとにつくられており,その多大な犠牲のおかげで1807年にワルシャワ公国が実現することになった(ティルジット条約)。しかしワルシャワ公国はあくまでもナポレオンによってつくられたものであり,ナポレオンの敗北(ナポレオン戦争)とともに消えていくべきものであった(公国内の農奴解放を実現したナポレオン法典は残る)。…
※「ワルシャワ公国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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