ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ワルトハイム」の意味・わかりやすい解説
ワルトハイム
Waldheim, Kurt
[没]2007.6.14. ウィーン
オーストリアの外交官,政治家。ウィーン大学卒業,法学博士。 1945~55年外務省勤務。 1955年初代国際連合代表,1956~58年カナダ公使,1958~60年同大使。 1964~68年国連大使,1968~70年外務大臣,1970年国連大使再任。 1971年国民党から大統領選挙に立候補したがフランツ・ヨナスに敗れた。 1972年第4代国連事務総長に就任,1977年再選。事務総長在任中,キプロス紛争,南北イエメン問題,中東問題などに取り組み,1981年に辞任。 1986年国民党から大統領選挙に再出馬したが,第2次世界大戦中の 1942~45年にナチス・ドイツの情報将校としてユーゴスラビアのパルチザン弾圧やユダヤ人の強制収容所への移送に関与した疑いが表面化。しかしこれらの疑惑を否定,大統領選挙に勝利した。のちにナチス関与が明らかにされ,国際社会で孤立,1992年大統領再選を断念した。
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