アイバンホー(読み)あいばんほー(英語表記)Ivanhoe

翻訳|Ivanhoe

精選版 日本国語大辞典 「アイバンホー」の意味・読み・例文・類語

アイバンホー

(原題Ivanhoe) 長編歴史小説。W=スコット作。騎士アイバンホーと獅子王リチャードやロビン=フッドが登場する、恋と武勇物語。一八二〇年作。

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デジタル大辞泉 「アイバンホー」の意味・読み・例文・類語

アイバンホー(Ivanhoe)

ウォルター=スコットの長編歴史小説。1819年刊。リチャード1世の騎士アイバンホー、伝説的英雄ロビン=フッドなどが登場する恋と冒険の物語。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アイバンホー」の意味・わかりやすい解説

アイバンホー
あいばんほー
Ivanhoe

イギリスの小説家ウォルター・スコットの歴史小説。1819年刊。ノルマンに征服されたサクソン王家の回復を図るセドリック陰謀、リチャード1世(獅子(しし)心王)の聖地遠征、その留守に王位をねらう王弟ジョン(後のマグナ・カルタのジョン王)の奸策(かんさく)など、歴史上の虚実を織り交ぜ、勇士アイバンホー(セドリックの子)、彼を慕うサクソン王女ロウィーナと可憐(かれん)なユダヤ娘レベッカ、さらにロビンフッド一味らを縦横に活躍させた波瀾(はらん)万丈の物語。アシュビー豪壮な馬上大試合で、ひそかに帰国したアイバンホーがジョン方の諸騎士を打ち破る場面はとくに有名。夏目漱石(そうせき)の『文学論』中「間隔論」の項に言及がある。

朱牟田夏雄

『菊池武一訳『アイヴァンホー』全二冊(岩波文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「アイバンホー」の意味・わかりやすい解説

アイバンホー
Ivanhoe

イギリスの作家W.スコットの歴史小説。1820年刊。十字軍時代を舞台とし,ノルマン征服王朝に反感を抱くサクソンの郷士セドリック,その息子でリチャード獅子心王に従って出征するアイバンホー,サクソンの姫ロウィーナ,ユダヤ人の娘レベッカなどが登場する。王とアイバンホーは身分を隠して帰国し,暴虐なノルマン騎士たちを懲らしめてノルマンとサクソンの和解をもたらす。現在でも広く読まれる冒険活劇である。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アイバンホー」の意味・わかりやすい解説

アイバンホー
Ivanhoe

イギリスの小説家 W.スコットの歴史小説。 1819年刊。中世イギリスにおけるサクソン人ノルマン人の対立を背景にした恋と武勇の物語。十字軍遠征中の獅子心王リチャード1世の王位を奪おうと,弟ジョンがノルマン人貴族と共謀。これを知ったサクソン人の騎士アイバンホーはリチャード王を擁護してノルマン人貴族と戦い,サクソンの義賊ロビン・フッドの活躍もあって,勝利を収める。彼は高貴の生れのローイナ姫とユダヤ人の娘レベッカの2人から思慕されるが,レベッカの命を救い,ローイナ姫と結婚する。アイバンホーの馬上槍試合や,ノルマン側の城に捕えられたアイバンホー救出の場面は特に有名である。スコットの数多い歴史小説中で最も人気のある作品。

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百科事典マイペディア 「アイバンホー」の意味・わかりやすい解説

アイバンホー

W.スコットの小説。1819年。アングロ・サクソンと征服民族ノルマンがとけ合おうとする大変動を背景に,騎士アイバンホーの武勇と愛が描かれる。リチャード1世,ロビン・フッドなども登場。舞台はスコットの他の作品とは異なってイングランドである。

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デジタル大辞泉プラス 「アイバンホー」の解説

アイバンホー〔ドラマ〕

イギリス制作のテレビドラマ。原題は《Ivanhoe》。放映は1958~1959年。中世を舞台に十字軍遠征帰りの主人公の活躍を描く。ウォルター・スコットの同名長編小説が原作。ロジャー・ムーア主演。

アイバンホー〔文房具〕

スイスの筆記具メーカー、カランダッシュ社の万年筆の商品名。ウォルター・スコットの同名の小説に登場する騎士の鎖帷子をイメージした限定品。

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世界大百科事典(旧版)内のアイバンホーの言及

【スコット】より

…初期のものは最高傑作《ミドロージアンの心臓》(1818)のほか《ガイ・マナリング》(1815),《好古家》(1816),《ラマームーアの花嫁》(1819)など,すべてスコットランドの近い過去を題材とし,貴族から浮浪者までの社会各層の人物を活写する民族的記憶の文学といえる。スコットは続いて《アイバンホー》(1820)で中世のイングランドを舞台とし,その後15世紀フランス,エリザベス女王の宮廷などを描いたが,これらは歴史を写実的にとらえるよりも,むしろロマンティックな冒険物語の色彩が強い。作家生活のほかにも多くの官職につき,〈サー〉の称号を授けられ,アボッツフォードに中世趣味の館を建てたりした。…

【ロビン・フッド】より

…16世紀には彼を主人公とする多くの戯曲が,例えばマンデーAnthony Munday(1553?‐1633)などによって書かれた。19世紀のウォルター・スコットの代表作《アイバンホー》(1820)でも,リチャード1世を助ける正義の士としてロビン・フッドが登場する。現在でも映画やアニメ,絵本や漫画で活躍している。…

※「アイバンホー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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