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アジ

栄養・生化学辞典の解説

アジ

 マアジ[Trachurus japonicus]のほか多種がある.スズキ目の暖流の回遊魚で,広く食用に供される.マアジは全長40cmになる.

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食の医学館の解説

アジ

《栄養と働き》


「アジとは味なり、その味の美をいうなり」と新井白石は唱えています。さっぱりとした口あたりとおいしさは、夏バテを解消する救世主のような存在といえるでしょう。
 一般的にアジといえば、マアジを指しますが、日本近海にはムロアジ、メアジ、シマアジなど20種ほど分布しています。
○栄養成分としての働き
 アジは、脳を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含み、ついで、血管の病気に有効に働くことから高血圧、動脈硬化、脳梗塞(のうこうそく)、心筋梗塞(しんきんこうそく)などの病気を予防するIPA(イコサペンタエン酸)を豊富に含んでいます。IPAは、血管を広げ、血液の流れをよくします。
〈IPAとタウリンの相乗効果で、高血圧、動脈硬化を防ぐ〉
 血圧やコレステロール値を下げるタウリンも豊富に含んでいるので、相乗効果が期待できます。最近の研究では、DHAとIPAに抗がん作用があることも明らかになってきました。
 ほかに、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の改善にたいせつなカルシウムをはじめ、成長を促進するビタミンB2、カルシウムの腸からの吸収を助けるビタミンDなどの栄養成分があることも、アジの魅力といえるでしょう。

《調理のポイント》


 アジには「ゼイゴ」と呼ばれるトゲトゲのウロコがあります。そのゼイゴがしっかりつき、腹のあたりが丸く高く盛り上がっているのが薬効の高い印。目が生き生きして、ヒレやエラがピンとはっているのは新鮮の証(あかし)です。DHAやIPAはアジの脂肪の中に含まれるので、脂(あぶら)ののった鮮度のよいものを選びましょう。
 旬(しゅん)は晩春~晩秋ですが、養殖ものや輸入ものも多く出回り、今は1年中食せる魚です。
 しかしなんといっても夏場のアジは、アミノ酸がたっぷり含まれるため、うまみが増します。
 料理方法は刺身、塩焼き、煮もの、つくだ煮、南蛮漬(なんばんづ)け、揚げものなど多彩。刺身などで身をとったあとの骨も、しょうゆに漬けてから揚げたり、さっとあぶったりすれば、骨せんべいとして活用できます。カルシウム補給として役立つでしょう。
○注意すべきこと
 アジには、ビタミンB群が含まれるので、夏バテ予防にもおすすめです。しかし、焼きすぎるとせっかくの脂質が落ちてしまうので、注意が必要です。
 アレルギー体質の人が多く食べると、じんま疹(しん)を起こすことがあります。
 抗酸化ビタミンの多い野菜やショウガ、シソ、ネギなどといっしょに食べると、魚の脂の酸化を防ぐのに役立ちます。

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大辞林 第三版の解説

アジ

アジテーションの略。 「 -演説」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アジ

マアジ」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アジ
あじ / 鰺
jack mackerelhorse mackerel

硬骨魚綱スズキ目アジ亜目アジ科Carangidaeの総称であるが、一般にはこのうちアジ亜科のものをさす。狭義にはそのうちのマアジをさすことが多い。スズキ目のなかで、前上顎骨(じょうがくこつ)が伸出でき、背びれ、臀(しり)びれ、腹びれにとげがあり、鱗(うろこ)が小さいか、まったくないものをアジ亜目とし、アジ亜目のなかで、臀びれの前方に2本のとげをもつものをアジ科とする。さらにアジ科のうち、側線に稜鱗(りょうりん)(ぜんご、ぜいごともいう)と称する1列の硬くてとげのある鱗をもつものをアジ亜科とする。アジ亜科は、背びれと臀びれの後方に小離(はなれ)びれがあるかないか、側線のどの部分に稜鱗があるか、また体形、背びれや臀びれの前部軟条の長短などによって、ムロアジ属、オニアジ属、マアジ属、メアジ属、カイワリ属、ヒシカイワリ属、クボアジ属、イトヒキアジ属などに分けられる。[鈴木 清]

生態

アジ類は全世界の温帯から熱帯海域に広く分布し、日本ではイワシ類やサバ類とともに重要な食用魚である。マアジTrachurus japonicusは、マアジ属の1種で、側線の全体にわたって稜鱗が発達する。温暖性の沿岸回遊魚で、南シナ海から北海道までの広い範囲に分布する。全長は34センチメートルに達する。生殖腺(せん)が成熟する生物学的最小形は14センチメートル前後であるが、完熟状態のものは少なくとも20センチメートル以上にならないとみられない。卵は分離浮遊性で、卵径は0.81~0.93ミリメートル。1尾が産出する卵数は、全長20センチメートルで5万粒、30センチメートルで18万粒である。産卵活動は水温16~17℃でもっとも盛んであり、この水温帯の動きとともに産卵場は南から北へ移動する。春季産卵群の主産卵場は東シナ海と薩南(さつなん)諸島海域であるが、夏から秋の産卵群の産卵場については不明である。産出された卵は水温22℃で約40時間で孵化(ふか)する。孵化直後の仔魚(しぎょ)の長さは2.5ミリメートルで、15ミリメートルになって稚魚となり、その後、急速に親の形に近づいていく。アジ類の稚魚は表層性で、モジャコなどと同様に流れ藻につき、沿岸域を漂流する。しかし、成長とともにしだいに中・下層性の度合いが強くなり、1年魚以上になると底引網でも漁獲されるようになる。また、マアジ、マルアジ、カイワリなどは稚魚時代にクラゲ類と共生することが知られている。これらの稚魚はクラゲの傘の下に隠れて魚食性の魚や水鳥からの難を避けていると考えられる。アジ類は浮遊性の小甲殻類を好んで食べるが、そのほか魚類、イカ類、多毛類なども捕食する。[鈴木 清]

近縁種

マアジに類似したものにムロアジ属の魚がある。この類は、背びれと臀びれの後方に小離びれを1個ずつもっていることで、マアジおよびほかのアジ亜科のものとは区別される。アカアジDecapterus kurroides、マルアジD. maruadsi、オアカムロD. russellii、ムロアジD. muroadsi、クサヤモロD. macrosoma、モロD. lajangなどが日本近海に分布する。メアジSelar crumenophthalmusも外観的にはマアジに似ているが、ムロアジ属と同様に稜鱗は側線直走部にのみ発達することで区別される。ほかのアジ亜科のものに比べて目が大きい。カイワリ属の魚は体高が高く、側扁(そくへん)し、タイ形に近い。アジ亜科の中でもっとも種類が多く、日本近海産の代表的なものとしてカイワリCaranx equula、ギンガメアジC. sexfasciatus、シマアジC. delicatissimus、オキアジC. helvolusなどがある。稜鱗はいずれも側線直走部にのみある。
 イトヒキアジAlectis ciliarisは外観的にはほかのアジ亜科のものとは異なり、体は菱(ひし)形に近く、大いに側扁し、背びれと臀びれの前部軟条が著しく長く伸びる。[鈴木 清]

漁業

アジ類で産業的に重要なのはマアジとムロアジ属のムロアジ、モロ、マルアジなどである。産額的にはマアジが断然多く、ムロアジ類はマアジの12分の1程度である。アジ類はイワシ類、サバ類、サンマなどとともに日本近海における重要な沿岸性魚類で、第二次世界大戦後はマアジ資源の増大、東シナ海や黄海の巻網漁場の開発などにより漁獲量が急激に増加し、1960年(昭和35)には59万トンとなり、その後1966年まで毎年50万トン前後の漁獲があった。しかし、1967年以降漁獲量は徐々に減少し、1980年には14万トンを示した。その後1996年(平成8)には40万トン近くまで回復したが、2005年は21万トンに減少している。アジ類の漁獲の大半は大・中型巻網で、ついで定置網、底引網、釣りなどによるものである。漁業的に重要とみられる濃密分布域は、東シナ海域(福岡県から沖縄県)、日本海西海域(福井県から山口県)、太平洋南海域(和歌山県から宮崎県)、太平洋中海域(千葉県から三重県)であるが、とくに東シナ海域からの漁獲量がもっとも多く、日本全域の約37%を占めている。漁期はだいたい周年にわたるが、多く漁獲される時期は5~12月で、春と秋に盛漁期がある。[鈴木 清]

釣り

遊漁船によるものと、防波堤などでの釣りに分けられる。船釣りは地域にもよるがほぼ周年、防波堤は夏から初秋にかけてが釣り期とされている。
 遊漁船の釣りは、手釣りと竿(さお)釣りがある。群泳する魚の習性から、イワシのミンチやアミなどを寄せ餌(え)(コマセとよぶ)にして魚を集めて釣る。手釣りは、ビシ道具とよばれる寄せ餌を詰める金網か樹脂製の籠(かご)をつけ、鉤(はり)につける餌は蛍光玉の擬似鉤またはイカの身を小さく切って使う。竿釣りは、サビキ釣りが各地で流行している。寄せ餌、ビシ道具の下に、擬餌(ぎじ)鉤が等間隔に6~10本枝鉤式についたサビキ仕掛けをつけ、いちばん下は水深に応じて30~80号のオモリをつける。擬餌は魚皮や薄いゴム片などを鉤に結んである。釣り方は、いずれも海底に仕掛けを落とし、ここから3~4メートルあげて寄せ餌を散らして魚を寄せる。潮色、水温、季節により、底から何メートル上で魚が食うか、泳層(タナとよぶ)を探るのがこつである。
 防波堤釣りは、棒ウキや玉ウキのウキ釣りと、船同様にサビキ仕掛けの釣り方がある。アジは視力がよいので、細いハリスが有利である。寄せ餌は必要で、鉤にはアミなどの餌をつける。[松田年雄]

料理

一般に市場に出回るのはマアジ、ムロアジ、シマアジの3種が多い。四季を通じて味が変わらないので用途が多い。アジには、「ぜんご」という突出した硬い鱗(うろこ)がある。それを尾のほうから包丁を入れて取り去ってから料理する。塩味によくあうので、塩焼きや塩干品など塩で調味するのがよい。
 マアジは東京方面ではヒラアジ、メダマ、クロの3型に分類して扱われることもある。ムロアジの名は「室津(むろつ)の味(あじ)」の意味で、その昔、室津(兵庫県室津)に遊里があり、美人が多くいたので、ムロアジの名ができたという。ムロアジはマアジより脂肪が少なく、身はもろいが、伊豆諸島名物のクサヤの干物には好適な材料として用いられており、また普通の干物にもされる。シマアジは一年中味が変わらないが、とくに6~7月ごろは美味である。姿も大きく、肉量も多いが、高級魚なので価格も高い。刺身、すし種に用いることが多い。
 マアジ、ムロアジは、えらとわたをとり、姿のまま衣をつけないで揚げる素揚げや、衣をよくつけて揚げる、から揚げもよい。なお揚げる場合、大きいものは二度揚げすると骨まで食べられる。とりたての新鮮なマアジは、たたきなますの味がよい。すし種にはマアジの小さいものを皮をむいて用いる。[多田鉄之助]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について | 情報 凡例

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