アストラカン(英語表記)Astrakhan

翻訳|astrakhan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アストラカン
Astrakhan

アジア中西部の羊の地方品種であるカラクール種の胎子または初生子の毛皮。おもな輸出港アストラハンであったのでこの呼び名がある。黒色で縮毛,毛は極度に密生し,光沢に富むため,装飾用,防寒用として珍重される。

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百科事典マイペディアの解説

アストラカン

ロシアのアストラハンを主産地とし,広く中近東に産する,腹子(はらご)または生まれたての子羊(カラクール種)の毛皮。黒くて光沢があり玉状に縮れている。帽子,女性コートなどに用いるが,高価のため一般にはこの外観を模した織物や編物が用いられている。ふつう,地糸に綿糸を用い,梳毛(そもう)糸で長い毛羽をつくり,熱処理で玉状に縮らせる。編物は輪状の飾りをつけた毛糸(アストラカン糸)で編む。
→関連項目ヒツジ(羊)ラム

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世界大百科事典 第2版の解説

アストラカン【astrakhan】

ロシアのアストラハン地方に産するカラクール種の生まれたばかりの子ヒツジの毛皮。表面に渦巻状の巻毛があり,柔らかく光沢が美しい。色は黒がほとんどで,表面に強く捻った輪奈が出ているものと,輪奈を切って毛羽をたてたもの,またこの両方のまざり合ったものがある。この毛皮の感触に似せた織物もアストラカンと呼ばれ,厚地のパイル織で,ビロードのような紋柄を織り出したものもある。黒,灰色が基調色だが,多彩なものもある。

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大辞林 第三版の解説

アストラカン【astrakhan】

アストラハン地方に産するカラクール種の子羊の毛皮。柔らかい巻き毛が特徴。また、それに似せてつくった毛長のパイル織物。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アストラカン
あすとらかん
astrakhan

もとはロシアのアストラハン地方で産するヒツジ(カラクールkarakul種)の胎児、または子ヒツジの毛皮をさすが、織物では、それに似た柔らかい巻き毛の毛羽(けば)で覆われた厚地の毛織物をいう。アストラハン地方の羊毛は、黒く玉状によく縮れ、光沢に富むが、毛皮は非常に高価なため、外観を似せたパイル(輪奈(わな))織にする。地(じ)組織には、梳毛糸(そもうし)、綿糸、スフ糸を使い、パイル糸には光沢のある堅い毛かモヘアを、あらかじめ強く捲縮(けんしゅく)させておいたのち、経(たて)・緯(よこ)いずれかのパイル組織に織り上げる。この輪奈になった部分を切断しないものと、切断して毛羽立てしたものがあるが、いずれも熱処理をして、かさ高く輪状に巻き毛を保つように仕上げる。染色の色調は黒が多い。厚地で保温力があるため、防寒用帽子、婦人オーバー地、外套(がいとう)の襟などに用いられる。[角山幸洋]

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精選版 日本国語大辞典の解説

アストラカン

〘名〙 (astrakhan) 西アジア地方に産する、羊の胎児や、生まれたばかりの子羊の毛皮。帽子や婦人オーバー地として珍重。また、それに似せて織った織物。もとロシアのアストラハン(Astrahan')地方で産した。〔外来語辞典(1914)〕

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世界大百科事典内のアストラカンの言及

【毛皮】より

…20世紀初めに南西アフリカで品種改良の行われたカラクールラムは,スワカララム(スワカラは登録商標)と呼ばれ,絹のような光沢と独特のうね模様をもつ,高級毛皮となった。ラムのうち,巻毛のあるものはアストラカン,平らでうね模様のあるものはブロードテールと呼ばれる。品質のよいものはしなやかで光沢があり,縫製しやすいため,ミンクと人気を二分している。…

【ヒツジ(羊)】より

…(7)乳用系種 羊乳の生産を目的に飼われる品種で,ドイツ原産のオストフリージャン種Ostfriesian(乳量400~500kg),フランス原産のラクーヌ種Lacauneが有名である。(8)毛皮用系種 西アジア原産のカラクール種Karakulの生後まもない子ヒツジの毛皮はアストラカンの名で珍重される。(9)脂肪尾羊系種 アルガリを祖先種とするアジアのヒツジには尾に脂肪を蓄積する肉用種の寒羊,ブラックヘッド・ペルシャン種Blackhead Persianなどがある。…

※「アストラカン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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