アセナフテン(その他表記)acenaphthene

改訂新版 世界大百科事典 「アセナフテン」の意味・わかりやすい解説

アセナフテン
acenaphthene




コールタール中に含まれる芳香族炭化水素一種。名はラテン語のacetum(すっぱい),ペルシア語のneft(樹脂)に由来する。融点94℃,沸点277.9℃の無色針状結晶クロロホルム,熱アルコールに溶け,水に不溶。コールタールから分離して得られ,染料合成原料合成樹脂原料,殺虫殺菌剤として用いられる。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「アセナフテン」の意味・わかりやすい解説

アセナフテン(データノート)
あせなふてんでーたのーと

アセナフテン

 分子式  C12H10
 分子量  154.2
 融点   94℃
 沸点   277.9℃
 屈折率  (n)1.6066


アセナフテン
あせなふてん
acenaphthene

芳香族炭化水素の一つで、コールタールを分留して得られる重油成分中に含まれる。ナフタレンエチレンから合成することもできる。無色の結晶で、水には溶けないが、アルコールに溶け、トルエンなどによく溶ける。ナフタレンに似たにおいをもつ。染料や合成樹脂の原料として、また殺虫剤や殺菌剤としても利用される。

[徳丸克己]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「アセナフテン」の解説

アセナフテン
アセナフテン
acenaphthene

C12H10(154.21).コールタール成分の一つで,タールの重油留分から分留される.ナフタレンとエテンから合成することもできる.針状晶.融点95 ℃,沸点278 ℃.ベンゼン,アルコール,酢酸,クロロホルムなどに可溶.酸化すればアセナフテンキノンを経てナフタル酸となる.[CAS 83-32-9]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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