アダージョ

百科事典マイペディア 「アダージョ」の意味・わかりやすい解説

アダージョ

アダジオともいう。(1)音楽用語。ゆったりとした速度。アンダンテラルゴ中間。または,ソナタ,交響曲などのおそい速度の楽章。アダージェットadagiettoは,アダージョよりやや速くの意。(2)クラシック・ダンス用語フランス語でアダージュadageともいう。ゆっくりとした音楽に合わせた,ゆっくりした動きのコンビネーション(女性舞踊手の美しさを示すアラベスクなどを含む)。優雅さとバランスを発達させるための練習をさす場合もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アダージョ」の意味・わかりやすい解説

アダージョ
adagio

バレエ用語。フランス語でアダージュ adageともいう。緩慢で優雅な一連のパ (ステップ) から構成される基礎練習の1種。または古典バレエのグラン・パ・ド・ドゥやパ・ド・トロワ最初の部分で,バレリーナパートナーの男性に腰や手を支えられて踊るゆるやかな踊りアラベスクアティチュードなどのポーズを用いて身体の優美な線とバランスを強調するもので,伴奏には主としてワルツが使われる。

アダージョ
adagio

音楽用語。イタリア語で「ゆったり」の意味ラルゴに次いでゆるやかな速度を示し,転義して,同上の速度で書かれた歌謡風の楽章をさす。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アダージョ」の意味・わかりやすい解説

アダージョ
あだーじょ
adagio イタリア語

音楽の速度標語。イタリア語のadagiare(くつろがす)を語源にもつ。おそらく1611年にイタリア人バンキエリが彼の作品に用いたのが、速度標語としての最初であろう。当初は文字どおりの「くつろいで」や、または「もっとも遅いテンポで」を意味していたが、現在では一般にアンダンテとラルゴの間の速さ「静かに緩やかに」を意味する。また、ソナタや交響曲などにみられる、ゆっくりとした第2楽章(緩徐楽章)を示す用語としても用いられる。

[黒坂俊昭]

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