改訂新版 世界大百科事典 「アトウッド」の意味・わかりやすい解説
アトウッド
Walter Wallace Atwood
生没年:1872-1949
アメリカの地理学者,地質学者。シカゴ大学で地質学を学び,師R.D.ソールズベリーの感化を受け,ニュージャージー州地質調査所やウィスコンシン自然史調査所勤務後,1901年T.C.チェンバリン,ソールズベリーのもとで母校講師に戻り,教授に進んだが,13年ハーバード大学からW.S.デービスの後任の地文学教授に迎えられた。20年クラーク大学から地理学大学院創設に当たり,その主宰と同時に学長として招かれ,46年引退まで在職した。1925年《経済地理学Economic Geography》誌を創刊,初代編集長となった。アメリカ地理学者協会,全国地理教育者評議会,国立公園協会,汎米地理歴史学会の各会長を務めたほか,多くの国際会議のアメリカ代表となった。数百名の地理学者を育て,息子2人とも著名な地理学者になっている。ロッキー山脈が生涯の研究の場で,45年名著《Rocky Mountains》を刊行後も死ぬまで研究を続けた。他方,半世紀にわたり世界各地を巡検し,世界地誌,国際社会におけるアメリカを扱い,多数の教科書を編さん,近代地理学の普及に貢献した。
執筆者:石山 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報