アトバラ(その他表記)`Aṭbara

デジタル大辞泉 「アトバラ」の意味・読み・例文・類語

アトバラ(Atbarah)

スーダン北部の都市ナイル川アトバラ川合流点付近に位置する。ナイル州の州都。首都ハルツーム、港湾都市ポートスーダン、エジプト国境のワディハルファ鉄道で結ばれる。セメント工業が盛ん。

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改訂新版 世界大百科事典 「アトバラ」の意味・わかりやすい解説

アトバラ
`Aṭbara

アフリカ大陸北東紅海寄りに位置する,スーダン共和国北部州の町。人口約10万(2000)。エチオピアに源を発するアトバラ川とナイル川との合流地に1898年イギリス・エジプト連合軍が設営した町で,鉄道が敷かれ,1906年以後軍需工業地となった。現在ではスーダン最大のセメント生産地で,外国資本の協力で年産45万tを目ざしている。ここからハルツームへ向かうナイル川東岸には,古代メロエ王国の遺跡が散在する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アトバラ」の意味・わかりやすい解説

アトバラ
あとばら
Atbarah

アフリカ北東部、スーダンのナイル州の中心都市。エチオピア高地に発するアトバラ川がナイル川と合流する地点にある。人口8万7878(1993)。古くから交通の要地であったが、首都ハルトゥームと紅海に面した港都ポート・スーダンを結ぶ鉄道の中間点および分岐点で、鉄道本社や車両工場立地するなど、交通、産業の盛んな都市となっている。標高35メートル、年降水量は70ミリメートル前後で、半砂漠から砂漠への漸移帯に位置する。

[端 信行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アトバラ」の意味・わかりやすい解説

アトバラ
`Atbarah

スーダンの北部,シャーマーリーヤ州の中心都市の一つ。首都ハルツームの北東約 280km,ナイル川の右岸,アトバラ川との合流点に位置する。ポートスーダンとアスワン地方からくる道路と鉄道の分岐点で,この地方の商業農業の中心地。スーダン鉄道局の本社と修理工場があり,人口の過半数は鉄道業務に生活を依存している。セメントなどの工場も立地。人口7万 3009 (1983) 。

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百科事典マイペディア 「アトバラ」の意味・わかりやすい解説

アトバラ

アフリカ北東部,スーダン共和国の都市。タナ湖に発するアトバラ川とナイル川との合流点に位置する。紅海沿岸のポート・スーダンと鉄道で結ばれる。スーダン最大のセメント生産地。8万8000人(1993)。

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世界大百科事典(旧版)内のアトバラの言及

【スーダン】より


【自然】
 北緯4゜~22゜の熱帯にまたがるスーダンは,北のサハラ砂漠乾燥地帯から南端の熱帯雨林にいたるまで多様な自然景観をもつ。国土の中央やや東寄りを,ウガンダのビクトリア湖に発し南部国境付近山岳地帯から流れる諸河川を集めた白ナイル川が北上し,エチオピア高原に発した青ナイル川と首都ハルツームで,アトバラ‘Aṭbara川とはアトバラで,それぞれ合流し1本のナイル川となってエジプトへ抜ける。 ヌビア砂漠Ṣaḥrā’ al‐Nūbaとよばれる北部の砂漠地帯は,年間降雨量100mm以下で,岩はだの荒野が広がる。…

【ナイル[川]】より

…青ナイルは,季節風による降雨の影響をうけて増水期に多量の水を流すことがあり,エジプトにおける洪水のもとともなる。スーダンのアトバラでさらにアトバラ川‘Aṭbaraが合流する。ハルツームからエジプトのアスワンにかけて,途中六つの急流(瀑布)が形成される。…

※「アトバラ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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