コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

アドルフ アドルフ Adolphe

4件 の用語解説(アドルフの意味・用語解説を検索)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アドルフ
アドルフ
Adolphe

フランスの政治家,小説家 B.コンスタン中編小説。 1806年執筆,16年刊。ある人物の手記の形をとる当時流行の自伝体小説。倦怠に悩む青年アドルフと,ある伯爵の囲い者であるエレノールとの恋愛を,求愛から愛の獲得,さめていく情熱,破局にいたるまで,その諸相を簡潔な文体で的確に描写した恋愛心理小説の傑作。

本文は出典元の記述の一部を掲載しています。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

デジタル大辞泉の解説

アドルフ(〈フランス〉Adolphe)

コンスタンの中編小説。1806年から1810年にかけ、著者が亡命生活を送っていた帝政時代に執筆したもので、1816年刊行。フランスにおける心理小説の傑作。

出典|小学館 この辞書の凡例を見る
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版の解説

アドルフ【Adolph】

フランスのコンスタンの小説。1806年脱稿。16年ロンドンとパリで同時に初版が出された。作者が旅行中に出会った青年アドルフの手記という形式をとる。倦怠に悩むアドルフは年長の女性エレノールを知ると単なる虚栄心から彼女を誘惑する。だが彼女はある伯爵に囲われる身で2人が結ばれるまでには障害があり,このことがかえって彼の心に真の愛情を芽生えさせる。ところが彼女がすべてを犠牲にして身も心も捧げると,それが重荷になり,別れたいと願うようになる。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アドルフ
あどるふ
Adolphe

フランスの作家バンジャマン・コンスタンの自伝的心理小説。1816年発表。名家の青年アドルフは、征服欲から友人の妾(めかけ)を誘惑するが、やがて女の愛を負担に感じるようになる。女は故国ポーランドに帰り、青年は義務感から運命をともにする。しかし2人の間にはいさかいが絶えず、女は苦悶(くもん)の果てに死ぬ。悔恨に包まれ孤独に生きる青年の手記という形式のこの作品は、愛にまつわるさまざまの情念の交錯する場を執拗(しつよう)なまでに分析し、ついに愛そのものの不可能性を示すに至る。精巧かつ堅固な古典的文体を通して、主人公の優柔不断な思考や言動の背後に、人間本来の弱さを正視し、同時に断罪しようとする語り手の厳しい倫理性を読み取ることができる。冷徹な自己分析の書として、また生の倦怠(けんたい)と愛のはかなさを説く初期ロマン派の代表作として、後世に与えた影響は大きい。女主人公エレノールには、スタール夫人の影が濃くさしているといわれる。[工藤庸子]
『滝田文彦訳『アドルフ』(『世界の文学3』所収・1969・中央公論社)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内のアドルフの言及

【余計者】より

…以後,余計者は形を変え複雑化して,チェーホフの主人公たちまで生きつづける。なお,西欧文学のコンスタンのアドルフ(《アドルフ》1816),ミュッセのオクターブ(《世紀児の告白》1836)は,ロシアの余計者の血縁である。【工藤 精一郎】。…

【ロマン主義】より

…とりわけルソーの書簡体小説《新エロイーズ》や自伝的な作品《告白録》がその代表とされる。恋愛を中心とする自己の感情の起伏や精神的苦悩を主人公に仮託して描く自伝文学は,ロマン主義文学の中でも主要な位置を占め,ゲーテの《若きウェルターの悩み》,シャトーブリアンの《ルネ》(1802),セナンクールの《オーベルマン》(1804),コンスタンの《アドルフ》へと継承され,ミュッセの《世紀児の告白》(1836)へと受け継がれる。この系譜の中からは,激変する社会の現実と自己の存在との乖離(かいり)を感じ,愛に満たされず何かを求め続け現実から逃避していく〈世紀病mal du siècle〉を病んだロマン派的魂の典型が浮かび上がる。…

※「アドルフ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

アドルフの関連キーワードコンスタントシェーディングコンスタンチノープルゴンクールコンスタントコンスタンス湖スタンダリアンクータンスさよなら、コンスタンスレスタンスグーフィースタンス

今日のキーワード

パラチオン、パラチオンメチル

パラチオンは無色で油状の液体、パラチオンメチルはコハク色の液体。ともに毒性が強く、有機リン系殺虫剤として使用された。50年代以降、稲の害虫被害を防ぐことが確認され、広く導入された。しかし、農民の中毒死...

続きを読む

コトバンク for iPhone

アドルフの関連情報