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アフガーニー Jamāl al-Dīn al-Afghānī

百科事典マイペディアの解説

アフガーニー

イラン生れのイスラム改革思想家。インド大反乱の鎮圧やムガル帝国滅亡に接してヨーロッパの脅威を感じ,イスラムの連帯と反帝国主義運動を指導。イスタンブール,カイロ,テヘランなどで活動した。1884年パリでムハンマド・アブドゥフとともに政治雑誌を発刊。イランのタバコ・ボイコット運動やエジプトのアラービー運動に影響を与えた。晩年,パン・イスラム主義を唱えるオスマン帝国のアブデュルハミト2世に迎えられイスタンブールで暮らすが,イランのシャー暗殺容疑で幽閉され,死亡した。

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世界大百科事典 第2版の解説

アフガーニー【Jamāl al‐Dīn al‐Afghānī】

1838∥39‐97
イスラム改革および反帝国主義の運動の扇動家,組織者。名はジャマール・アッディーンJamāl al‐Dīn。アフガン人と自称したが,イラン生れ。そのため,イランではアサダーバーディーAsadābādīと呼ぶ。イギリスによるセポイの反乱の鎮圧とムガル帝国滅亡とから,早くヨーロッパの脅威を感得し,アフガニスタンの政争に関与してイスタンブールに逃れたが,彼の哲学思想を異端とするウラマーの圧迫を受け,1871年カイロに定住した。

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大辞林 第三版の解説

アフガーニー【Afghānī】

1838(9)~1897) イスラムの反帝国主義運動の組織者。イラン生まれ。アフガン人と自称。汎イスラム主義のもとに、イスラム諸国の改革運動を行う。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アフガーニー
あふがーにー
Jaml al-Dn al-Afghn
(1838/1839―1897)

(はん)イスラム、反帝国主義思想家。イランに生まれ、シーア派の教育を受けたが、スンニー派世界での影響を考えて、アフガン人と自称した。1857~1858年のインド滞在後、アフガニスタンで過ごしたが、政争に巻き込まれ、1871年イスタンブールに逃れ、そこで多くの講演を行った。しかし彼の思想はウラマー(法学者)の反感を招き、同年カイロに移った。そこで、ムハンマド・アブドゥーやサード・ザグルールなど、のちのエジプトの民族的指導者となる若者たちに哲学や神学を教えると同時に、立憲制要求や反英ナショナリズム思想へと導き、アラービーの反乱(1882)に影響を与えることとなった。しかし、1879年にはイギリスの教唆によりインドに追放され、インドではアフマド・ハーンの親英思想を攻撃した。アラービーの反乱後、ヨーロッパ諸国を遍歴、パリでは、イスラムの合理主義精神を否定するルナン(1823―1892)と論争を行ったり、エジプト時代の弟子ムハンマド・アブドゥーとともに雑誌『固き絆(きずな)』を創刊(1884)し、反植民地主義、汎イスラムの論陣を張ったりした。1886年、1889年の2回、イランの国王ナーシル・アッディーン・シャーに招かれ、イランの近代化政策に参与したが、宮廷内の陰謀のため1890年に追放された。追放後、イラン専制政治を激しく攻撃し、イランにおけるタバコ・ボイコット運動、立憲主義運動に影響を与えた。1892年、オスマン帝国のアブデュル・ハミト2世は、その汎イスラム主義を利用するために彼を招待したが、彼の自由思想はスルタンの専制主義とは相いれず、宮廷内で孤立し、事実上の幽閉の状態で死亡した。まとまった著作は残さなかったが、西欧植民地主義に対する強い危機意識と、イスラム世界の一致団結の必要性、自由主義的政治改革の思想、イスラム黄金時代への憧憬(しょうけい)、合理主義的イスラム神学、哲学の再建の試みなどは、彼のカリスマ的人格を通して、多くの次代のイスラム近代主義者に影響を与えた。[竹下政孝]

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世界大百科事典内のアフガーニーの言及

【イスラム復興運動】より

…その点に,中世に存在したイスラム改革運動との相違が見られる。萌芽期の代表的事件として,エジプトのアラビー運動(1881-83),イランのタバコ・ボイコット運動(1891-92)が挙げられ,前者がスンナ派,後者がシーア派の国で起こったため,両方の事件に関わったアフガーニーが,両派にまたがる復興運動の起点における象徴とされる。
[西洋による〈脅威〉の認識]
 アフガーニーは列強の侵略に抵抗するイスラム連帯を訴えたが,西洋側ではそれを自分たちに対する〈脅威〉ととらえ,パン・イスラム主義の名称で呼んだ。…

※「アフガーニー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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