アブシジン酸(読み)アブシジンサン

世界大百科事典 第2版の解説

アブシジンさん【アブシジン酸 abscisic acid】

(化学式)植物ホルモンの一種。アメリカでアディコットF.T.Addicottらによってワタの実の落果時の離層形成を引き起こす物質は何かを追究する一連の研究が行われ,このなかで大熊和彦らがこの物質をワタの未熟な果実から単離し,構造を決定し,アブシジンIIと命名した(1965)。その翌年,コーンフォースJ.Cornforthらが合成によってその構造を確認した。他方,これとはまったく独立にイギリスでは,ウェアリングP.F.Wareingらによって,カエデAcer pseudoplatanusの芽の休眠を引き起こす物質は何かを追究する研究が行われており,かれらはこの物質を結晶状にとり出し,ドーミンdorminと命名した(1965)。

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大辞林 第三版の解説

アブシジンさん【アブシジン酸】

植物ホルモンの一。休眠・老化を促進し、生長・発芽などを抑制する。また、気孔を閉じさせる働きをもつ。高等植物に広く分布。 ABA 。

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世界大百科事典内のアブシジン酸の言及

【植物生長調節剤】より

…エスレルはpH4以上で容易にエチレンを放出し,果実などの着色促進,熟期促進,落葉促進効果を示す。なお,植物ホルモンの1種であるアブシジン酸は,現在植物生長調節剤として使用されてはいないが,今後実用化が期待されている。植物ホルモン【高橋 信孝】。…

※「アブシジン酸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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