アイルランド島西部にある島々。ゴールウェーから48キロメートル、ゴールウェー湾の入口付近に位置する。面積46.6平方キロメートル。北からイニシュモア、イニシュマーン、イニシールの三つの島からなる。主島であるイニシュモア島の人口は約900。中心地はイニシュモアのキルロナンKilronanである。1819年アイルランド本土の借地問題を解決するために、移民によって集落がつくられた。漁業と農業が営まれる。大西洋縁辺地帯におけるケルト文化の伝統を今日に伝える故地であり、今日でもゲール語が話される。アイルランドの劇作家J・M・シングによって同島の口碑、伝説が収集され、これがアイルランド文芸復興運動を促す一因となった。
[米田 巌]
『J・M・シング著、姉崎正見訳『アラン島』(岩波文庫)』
アイルランド西部,ゴールウェー湾湾口の3島。イニシュモアInishmore(人口891,1981年),イニシュマーンInishmaan(人口238),イニシーアInisheer(人口239)からなり,住民はアイルランド語で生活している。島は岩がほとんどで,古くから島民は砂と海草を混ぜ,肥料を加えて土を作り,農牧業を営んだ。牛,エンバク,ジャガイモを産する。漁業も営まれるが漁獲高は少ない。元来,漁夫の防水用であったセーターがアラン・セーターの名で日本でも親しまれている。劇作家シングはしばしばここを訪れ,その経験は《海へ騎(の)りゆく人々》(1904初演)に結実した。R.フラハティの映画《アランMan of Aran》でも知られる。
執筆者:上野 格
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新