アラン諸島(読み)アランショトウ(その他表記)Aran Islands

デジタル大辞泉 「アラン諸島」の意味・読み・例文・類語

アラン‐しょとう〔‐シヨタウ〕【アラン諸島】

Aran Islandsアイルランド西部、ゴールウエー湾にある諸島イニシュモア島イニシュマーン島イニシィア島の3島からなる。ケルト文化を色濃く残す地として知られ、今もゲール語が話される。先史時代や初期キリスト教時代の遺跡が数多く残る。アランセーター産地としても有名

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「アラン諸島」の意味・わかりやすい解説

アラン諸島
あらんしょとう
Aran Islands

アイルランド島西部にある島々ゴールウェーから48キロメートル、ゴールウェー湾の入口付近に位置する。面積46.6平方キロメートル。北からイニシュモアイニシュマーン、イニシールの三つの島からなる。主島であるイニシュモア島の人口は約900。中心地はイニシュモアのキルロナンKilronanである。1819年アイルランド本土の借地問題を解決するために、移民によって集落がつくられた。漁業農業が営まれる。大西洋縁辺地帯におけるケルト文化の伝統を今日に伝える故地であり、今日でもゲール語が話される。アイルランドの劇作家J・M・シングによって同島の口碑、伝説が収集され、これがアイルランド文芸復興運動を促す一因となった。

米田 巌]

『J・M・シング著、姉崎正見訳『アラン島』(岩波文庫)』

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改訂新版 世界大百科事典 「アラン諸島」の意味・わかりやすい解説

アラン[諸島]
Aran Islands

アイルランド西部,ゴールウェー湾湾口の3島。イニシュモアInishmore(人口891,1981年),イニシュマーンInishmaan(人口238),イニシーアInisheer(人口239)からなり,住民はアイルランド語で生活している。島は岩がほとんどで,古くから島民は砂と海草を混ぜ,肥料を加えて土を作り,農牧業を営んだ。牛,エンバク,ジャガイモを産する。漁業も営まれるが漁獲高は少ない。元来,漁夫の防水用であったセーターがアラン・セーターの名で日本でも親しまれている。劇作家シングはしばしばここを訪れ,その経験は《海へ騎(の)りゆく人々》(1904初演)に結実した。R.フラハティの映画《アランMan of Aran》でも知られる。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アラン諸島」の意味・わかりやすい解説

アラン諸島
アランしょとう
Aran Islands

アイルランド西海岸,ゴールウェー湾の湾口にある島群。ほぼ北西-南東方向に並ぶイニシュモア,イニシュマン,イニシーアの3島から成る島群で,石炭紀の石灰岩によっておおわれ,土地は不毛である。小村が散在し,アイルランド語が話される。古代ケルト (ゲール) 人から受継がれてきた純朴な風俗,剛気な気風,古い伝説,迷信,およびこの地域の地理は,アイルランドの劇作家 J.M.シングの『アラン諸島』に詳しい。面積 47km2。人口 803 (1981) 。

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