血液中の酸と塩基との関係が塩基優位の状態、すなわち血液pHの上昇をいう。通常、血液はpH7.40に保たれるように強い調節作用が働いているが、塩基の異常な蓄積ないしは酸の欠乏がおこる場合があり、おおよそpH7.44以上になる状態をアルカローシスとよぶ。pH7.60以上になると、テタニーtetanyといわれる筋肉のけいれんがおきて危険状態となる。
アルカローシスは呼吸性と代謝性に2大別される。前者はヒステリーなどで換気亢進(こうしん)の抑制が効かなくなった過換気症状群であり、後者は嘔吐(おうと)などによって胃から大量の塩酸が失われたときなどにみられる症状である。
[本田良行]
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…このように血液は,循環中に各組織で生じた余分の酸やアルカリを中和することによって,組織の環境を最適にする役を担っている。血液の緩衝能力以上の変動が生じて,血液が酸性(酸性症,アシドーシス),あるいはアルカリ性(アルカリ性症,アルカローシス)になると,組織の至適環境が乱れ,細胞が十分な機能を発揮できなくなる。酸塩基平衡
[血液型]
ヒトの赤血球の表面には凝集原とよばれる物質があり,血漿には特定の凝集原とだけ反応して赤血球に凝集をおこす凝集素が存在する。…
…呼吸機能や腎機能の異常または体内で過剰に酸が産生された場合は[HCO3-],Pの値が正常値より変位してくる。[HCO3-]/α・Pの値が小さくなるとpHが低下(酸性化)するが,そのような状態をアシドーシスといい,[HCO3-]/α・Pの値が大となりpHが高くなる状態をアルカローシスという。呼吸系に原因があって異常となる場合は呼吸性アシドーシスまたは呼吸性アルカローシスといい,腎機能の障害や過剰な酸の産生(たとえば糖尿病などの場合)で[HCO3-]が低くなっている場合を代謝性アシドーシスという。…
※「アルカローシス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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