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アンペール Ampère, André-Marie

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アンペール
Ampère, André-Marie

[生]1775.1.22. リヨン
[没]1836.6.10. マルセイユ
フランスの数学者,物理学者。ブール大学の物理学および化学教授 (1801) を経て,エコール・ポリテクニク数学教授 (09) 。系統的な実験家というより,天才的ひらめきの人といわれ,H.C.エルステッドによる電流の磁気作用の発見を知った彼は,すぐさまこの新しい現象を理論的,数学的に説明することに成功し,その後の電気力学の発展の基礎を築いた。とりわけ,アンペールの法則 (22) は有名である。また電流測定技術の開発にも貢献し,電流の磁気作用を利用した検流計を考案した。電流単位「アンペア」は彼の名を記念したもの。また科学に対する哲学的考察においても知られており,晩年の著作『科学哲学試論』 Essai sur la philosophie des sciences (34~43) はデカルト的二元論による学問分類の書といえよう。

アンペール
Ampère, Jean-Jacques Antoine

[生]1800.8.12. リヨン
[没]1864.3.27. ポー
フランスの歴史家,文学者。比較文学的研究の創始者の一人で,主著に『中世フランス文学研究序説』 Introduction à l'étude de la littérature au Moyen Âge (1841) など。またレカミエ夫人の友人で,その書簡集は当時の文学界を知る貴重な資料である。

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百科事典マイペディアの解説

アンペール

フランスの物理学者。1809年エコール・ポリテクニク教授,1820年コレージュ・ド・フランス教授。H.C.エルステッドの電流の磁気作用の発見に続いて,1820年アンペールの規則を発見,1822年アンペールの法則を発表。

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世界大百科事典 第2版の解説

アンペール【André Marie Ampère】

1775‐1836
フランスの物理学者,化学者。リヨンの生れ幼時より語学と数学の才能を表し,オイラーベルヌーイの数学書にも親しんだ。1793年フランス革命の中で父が保守派として処刑され,恵まれない生活をおくったが,その中でJ.J.ルソーの植物書に啓発されて科学を志し,1802年の確率に関する論文が認められ,03年リヨン高等学校の数学教師となった。翌年パリのエコール・ポリテクニクの教師,09年同校教授を経て,20年コレージュ・ド・フランスの教授となる。

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大辞林 第三版の解説

アンペール【André Marie Ampère】

1775~1836) フランスの物理学者。「アンペールの法則」の発見など電磁気学の基礎法則を確立。電流の単位アンペアは彼の名にちなむ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アンペール
あんぺーる
Andr Marie Ampre
(1775―1836)

フランスの物理学者、数学者。リヨンに生まれ、ルソーに傾倒する商人の父から『エミール』Emile式に教育され、ビュフォンの『博物誌』や、『百科全書』に強い影響を受けた。1793年、フランス革命の際、治安判事をしていた父が逮捕、処刑され、彼自身も1799年に結婚したが、4年後に妻が病没、再婚したがまもなく離婚し、また二人の子も安定した生活が得られず悩みの種になるなど、家庭的には不幸続きであった。1802年、ブルゲン・ブレッセのエコール・セントラルの物理学および化学教授となり、その後高等学校教師を経て、1808年新大学制度下での監察官、1819年パリ大学の哲学担当となり、翌1820年同大学天文学准教授、1824年コレージュ・ド・フランスの実験物理学教授に選任された。晩年には金銭上の心配も加わり、健康を害し、孤独のうちにマルセイユで没した。
 科学的業績としては電気力学の建設がもっとも重要であるが、研究は多方面にわたる。初期には数学者として知られ、1820年以前には化学にも傾倒、デービーに先んじて塩素やヨードの単体性に気づいたほか、ラボアジエの元素分類法とリンネの植物分類の類似性から、全化学体系の構築を試みた。気体分子物理面では「アボガドロの法則」を発見し、この法則はフランスでは「アボガドロ‐アンペールの法則」とよばれている。
 1820年、デンマークのエールステッドが、電流が磁針に力を及ぼすことを発見すると、アンペールもただちに電流の磁気に関する実験を開始し、電流の流れる導線間に力が作用することを発見、これを数学的に解析し、電流と磁気に関する「アンペールの法則」を提出した。さらに螺旋(らせん)形導線を流れる電流と磁石の同等性およびフレネルのヒントから分子電流を想定、電気力学的分子の仮説を提唱した。彼がこの力学モデルを電気現象のみならず、磁気現象や化学結合、電気親和力などすべてを説明する物質の新理論とみなしたことや、彼の特異な哲学とも結び付けたことが、彼の電気力学理論がただちに世に受け入れられない一因ともなった。しかし彼の仮説はのちにウェーバーの電磁理論の基礎となった。これらの1821~1825年の電気力学に関する数学的研究は1827年に『電気力学的諸現象の数学的理論集』Mmoire sur la thorie mathmatique des phnomnes lectrodynamiques uniquement dduite de l'exprienceとして公刊され、また、カントに影響を受けた科学分類論、科学哲学は1836年の『科学哲学試論』Essai sur la philosophie des sciencesにまとめられた。無定位磁針の発明もある。電流の単位「アンペア」は彼の名に由来する。[木本忠昭]

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世界大百科事典内のアンペールの言及

【アンペールの法則】より

…フランスの物理学者A.M.アンペールが発見した定常電流のまわりに生ずる磁場に関する法則。図1に示すように定常電流i(A)のまわりには,電流iの向きに右ねじを進めるようなねじの回転方向に沿って磁場Hが生ずる。…

【電気】より

…電磁石の原理は,エルステッドの発見にすぐ続いてフランスのD.F.J.アラゴーが発見したのである。 エルステッド,アラゴーに続いてA.M.アンペールが,電流の通っている導線が互いに力を及ぼすことを発見し,次いで,この力の大きさを表す式を導くことに成功した。アンペールは,電流や磁石の間に働く力を遠隔力とみなし,この力を電流や磁石の配置から計算するための法則を見いだして,この力の表式とニュートンの運動方程式とを使って,種々の磁石の示す現象を論ずるという構想をたて,これを〈電気力学〉と名付けた。…

※「アンペール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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