ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビュフォン」の意味・わかりやすい解説
ビュフォン
Buffon, Georges-Louis Leclerc, Comte de
[没]1788.4.16. パリ
フランスの博物学者。啓蒙思想家としても知られる。初め法律を学んだが,のち医学,植物学,数学を学び,イタリアに旅行。確率論の研究が認められ,26歳で科学アカデミー副会員。 1739年パリの王立植物園の園長に任命され,終生その地位にあった。フランス学士院,ロンドン・ロイヤル・ソサエティ,ベルリンアカデミー,ペテルブルグ科学アカデミー各会員。 S.ヘールズ,I.ニュートンの書物を翻訳するとともに,実験科学の方法論を体系的に展開,自然科学における経験的基礎の重要性を説いた。また大著『博物誌』 (または『自然誌』) Histoire naturelle,générale et particulière (44巻,1749~1804) では,従来聖書からの推定によって 6000年ぐらいとされていた地球の年齢を,8万年以上と唱えて話題をまき,天変地異説を否定し,自然は動植物の種を含めて徐々に変化をとげると考えて,のちの進化論形成に影響を与えた。またニュートンの万有引力法則の形式をめぐって,法則の単純性を主張して,厳密な逆2乗の形式を支持するビュフォンと,付加項の必要を唱えた A.C.クレローとの論争 (49) は有名である。 53年アカデミー・フランセーズ会員,入会の記念講演『文体論』 Discours sur le styleにおいて文体を思想の秩序と運動と定義した。
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