ベルギーのバイオリン奏者、指揮者、作曲家。近代屈指のバイオリン奏者として、ブリュッセルを中心にヨーロッパ各地に楽旅を重ね、イザイ弦楽四重奏団、イザイ演奏会などを組織した。エリザベト王妃の教師も務め、1913年にはベルギー宮廷楽長に任命されている。作曲家としては、独奏バイオリンを生かした管弦楽曲に特徴がみられるが、その「歌うようなバイオリン」と称せられた叙情的側面は無伴奏バイオリン・ソナタ(6曲。1924)に明確に表現されている。なお、弟のテオTheó(1865―1918)もピアノ奏者、作曲家として知られる。
[細川周平]
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