イタリアンライグラス(英語表記)Italian ryegrass

百科事典マイペディアの解説

イタリアンライグラス

ネズミムギとも。地中海地方原産のイネ科の一〜二年生牧草。暖地における重要な牧草である。イタリアで栽培が始まったことからこの名がある。分げつが盛んで,オーチャードグラスなど他のイネ科牧草に比べ初期生長が著しく早いので,晩秋や早春などに多収があげられる。耐湿性もあるので水田裏作に好適で,再生の少ない品種を選べば跡地の耕起利用も困難ではない。クローバー類との混播(こんぱん)も広く行われている。大型の四倍体品種の利用が増えてきている。
→関連項目牧草

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世界大百科事典 第2版の解説

イタリアンライグラス【Italian ryegrass】

牧草として利用するイネ科の一~二年草(イラスト)。ネズミムギともいう。ドクムギ属Loliumを一般にライグラスryegrassと呼び,この種はイタリアで栽培が始まったところからこの名がついた。原産地は地中海沿岸で,現在では世界中の温帯で栽培がみられ,また野生化もしている。日本へは明治初期に渡来した。草高は40~80cmほどで叢生(そうせい)する。若い葉は円錐状に巻いて現れ,初夏に小穂が2列に並んだ平たい穂を出す。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イタリアンライグラス
いたりあんらいぐらす
Italian ryegrass
[学]Lolium multiflorum Lam.

イネ科の一、二年草。ネズミムギともいう。葉は細長く、長さ5~30センチメートル、幅0.5~1センチメートル、裏面につやがある。若い葉は円錐(えんすい)状に巻いて現れる。初夏に穂が出て、高さ50~80センチメートルとなる。穂は2センチメートルほどの小穂が穂軸に向かい合って互生するため扁平(へんぺい)。護穎(ごえい)には1センチメートルほどの芒(のぎ)がある。原産地は地中海沿岸で、日本へは明治初期に渡来、現在では各地に野生化している。茎葉を飼料とするために栽培する。一般に秋に播種(はしゅ)し、翌春2~4回刈り取る。早生(わせ)から晩生(おくて)まで多くの品種があり、最近では大形の四倍体品種の栽培が増えている。
 草地を造成する場合、初年度の生産を確保するために、オーチャードグラス(カモガヤ)などの多年生牧草と混ぜて播(ま)く。西日本では水田の裏作とされる。近縁のペレニアルライグラス(ホソムギともいう)L. perenne L.は多年生で、牧草とされる。これとイタリアンライグラスとの中間型も多い。[星川清親]

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精選版 日本国語大辞典の解説

イタリアン‐ライグラス

(Italian ryegrass) イネ科の一年草。地中海地方の原産で、現在は温帯に広く分布。茎の高さ約一メートル。晩春、長い穂を出して開花し、夏に結実する。日本には明治初年牧草として入り、水田の裏作としても植えられる。ねずみむぎ。

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世界大百科事典内のイタリアンライグラスの言及

【ドクムギ(毒麦)】より

…【小山 鉄夫】。。…

【ドクムギ(毒麦)】より

… ドクムギ属Loliumの植物は英名をrye grassといい,牧草になるものが多い。小穂に芒(のぎ)のあるネズミムギL.multiflorum Lam.(別名イタリアンライグラスItalian rye‐grass)やホソムギL.perenne L.(別名ペレニアルライグラスperennial rye‐grass)はともにヨーロッパ産でそれぞれ牧草,芝生用に輸入されたが逸出して帰化植物となった。【小山 鉄夫】。…

※「イタリアンライグラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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