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イトヨ イトヨGasterosteus aculeatus aculeatus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

イトヨ
Gasterosteus aculeatus aculeatus

トゲウオ目トゲウオ科の魚。全長約 6cm。体はほぼ紡錘形で側扁し,背部は青色,腹部は銀白色を呈する。体側の鱗は板状になって1列に並ぶ。背鰭棘 (3個) は互いに離れている。雄は4~6月の産卵期には緑青色と赤色の婚姻色を現す。この時期には雄が水底に巣をつくり,雌がその中に産卵し,雄が卵を保護する。水の澄んだ細流にすみ,小動物を餌とする。海に下るものもある。北半球亜寒帯から温帯にかけて広く分布し,福島,栃木,福井の各県では天然記念物に指定されている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

イトヨ

トゲウオ科で体長4、5センチ背びれにトゲがあり、川底に水草などで巣をつくる。喜多方市が市の魚、会津坂下町が町天然記念物に指定している。

(2007-02-21 朝日新聞 朝刊 福島中会 1地方)

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百科事典マイペディアの解説

イトヨ

トゲウオ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イトヨ
いとよ / 糸魚
three spined stickleback
[学]Gasterosteus aculeatus

硬骨魚綱トゲウオ目トゲウオ科に属する魚のうち、背びれに5本以下の棘(とげ)をもつ種の総称。日本のイトヨには日本海系、太平洋系降海型および太平洋系陸封型の3系群があり、これにハリヨを加えた4系群が認められている。太平洋系降海型Gasterosteus aculeatus aculeatus以外は学名が確定していない。水草を集めて巣をつくることで有名な魚で、雄が糸状の粘液を出して巣を固めるのでこの名がある。北半球の亜寒帯から温帯にかけて広く分布し、日本では、降海型(成長ののち海に下るもの)は下関(しものせき)以北の日本海各地と利根川以北の太平洋の日本各地に、陸封型(成長しても淡水にとどまるもの)は北海道の大沼と阿寒(あかん)湖、青森県、福島県会津盆地、福井県大野盆地、栃木県那須(なす)などの湧水池や細流にすむ。背びれに3本、腹びれに1対の強い棘があり、鰓蓋(えらぶた)の後から尾びれ基底まで鱗(りん)板が連続して並ぶ。降海型は産卵期以外は海で生活する。体が細長く、背びれ棘(きょく)に鰭膜(きまく)がないか、あっても基部近くに限られる。体長は10センチメートルほどになる。陸封型は一生淡水で生活する。体は高く、背びれのひれ膜は棘の先端まで達する。体長は7センチメートルほどにしかならない。両型ともに1年で成熟する。
 雄は水底にくぼみを掘り、水草や落ち葉を集め、腎臓(じんぞう)から出る粘液でそれらを固めて巣を作る。雌を見つけると、ジグザグダンスと言われる求愛行動で雌を巣に導き入れ、産卵させる。雄は直ちに巣に入り放精する。ほかの雄の進入に対して攻撃を加えるが、その引き金となるのは、のどから腹部にかけてみられる赤色の婚姻色である。赤色であれば、どんなものに対しても強く反応する。雄は胸びれを使って新鮮な水を卵に送り、仔魚(しぎょ)が巣を離れるまで外敵から守る。雌は産卵後、雄は仔魚の保護を終えた後死ぬ。降海型では稚魚は7~9月ごろに川を下りて海洋生活し、翌年2月ごろから遡上(そじょう)を開始する。
 陸封型は水温が15℃前後の小川や水田の溝などにすみ、各地で天然記念物に指定されている。生育環境の悪化で、絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている地方もある。その一方で、遡上期のものを捕らえて、から揚げやてんぷらにする地方もある。[落合 明・尼岡邦夫]

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世界大百科事典内のイトヨの言及

【遡河魚】より

…そのような魚のうち,主として海洋で成育し,産卵を淡水中で行うものを遡河魚または昇河魚という。カワヤツメ,チョウザメ,サケ,イトヨなどがその例。その反対に,淡水中で成長し,産卵期に近づくと川を下って海に出,海洋中で産卵するものを降河魚または降海魚catadromous fishという。…

【トゲウオ(棘魚)】より

…また,大型の肉食魚や水鳥類の天然餌料として重要であるほか,ジョウチュウ(条虫)類やセンチュウ(線虫)類などの宿主としても知られ,ときに高い寄生率を示す。 トゲウオ科は5属に分かれ,日本には背びれに3本のとげをもつイトヨ属Gasterosteusと,このとげが7~13本のトミヨ属Pungitiusとが生息する。この2属は海で成長して春の産卵期に川にさかのぼるものと,一生淡水中で生活するものとを含み,生活圏が大きくなるためか,ともに分布範囲がきわめて広い。…

※「イトヨ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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