イヌイット

百科事典マイペディア 「イヌイット」の意味・わかりやすい解説

イヌイット

イヌイトとも。カナダ北西準州(ノースウェスト・テリトリーズヌナブト)のツンドラ地帯を中心にすむ狩猟民族。名称は彼らの言葉で〈人〉の意。旧称エスキモー人口3万〜4万人でエスキモー語を使用。従来は沿岸部で海獣漁やカリブー猟を生業としたが,白人との接触以降,伝染病などのため人口が激減し,生活様式も大きく変化した。カナダ政府は定住化などを進めてイヌイットを主流社会に同化させようとしたが,1970年代以降は,独自の文化や生活を守るためのイヌイットの権利保障についてさまざまな対策が進んでいる。→イヌイット周極会議
→関連項目アメリカ・インディアンイグルーカナダカヤックグリーンランドバフィン[島]ビクトリア[島]北極地方民族スポーツレクッカラ

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「イヌイット」の解説

イヌイット
Inuit

かつてはエスキモーの名で知られた北アメリカ先住民。イヌイットとは現地語で「人間」を意味する。アラスカからグリーンランドまで北極圏一帯に住み,狩猟生活にもとづいた独自の文化を保持する。過去にはインディアン法からも除外されてきたが,1939年にはカナダ連邦政府のイヌイットに対する責任が最高裁判決で認められた。99年には旧ノースウェスト準州が分割され,イヌイットが実質的な自治権を持つ新たな準州ヌナヴトが創設された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「イヌイット」の意味・わかりやすい解説

イヌイット

「エスキモー」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のイヌイットの言及

【エスキモー】より

…名称はアルゴンキン系インディアンのアブナキ語やオジブワ語などの〈生肉を食べる人〉を意味する語に由来する。カナダのエスキモーは〈ひと〉という意味の〈イヌイットInuit〉で自己を表現し,現在では公的にもこれが用いられている。また,アラスカではエスキモーが,グリーンランドではカラーリットKalaallitが一般的呼称とされている。…

【カナダ】より

…〈るつぼ〉も〈モザイク〉も現在はその概念の有効性が問われているが,カナダの場合,民族が地域的に偏在していたことが,〈モザイク〉と表現されてきた一因であろう。例えばカナダの先住民であるイヌイット(エスキモー)は,極北に居住してきた。資源開発の波が押し寄せて伝統的な生活の放棄が迫られている現在でも,彼らがその居住地まで捨てるということはない。…

【民族スポーツ】より

…挑戦は意志の続く限り,何回でも可能である。
[南北アメリカ]
 一年の大部分を雪と氷の中で生活するイヌイットは,驚くほど豊かな運動競技をもっている。わけても,痛みに耐える種目の多いのが特徴である。…

※「イヌイット」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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