日本大百科全書(ニッポニカ) 「イライト」の意味・わかりやすい解説
イライト
いらいと
illite
粘土鉱物の一種。白雲母(うんも)と化学組成上よく似ているが、層間のアルカリイオンが不足している。このため、その不足をヒドロニウムイオンで補っていると考えられている。イライトという名称は微細な白色雲母の総称として使われ、化学組成上いろいろなものを含んでいるので、現在は系列名として取り扱われている。主として頁岩(けつがん)、酸性火山岩、火砕岩(火山砕屑(さいせつ)岩)起源の変質岩中、泥質堆積(たいせき)岩中に広く分布する。ほかの粘土鉱物ほど粘着力はなく、少しぬらした試料をこすると指がすべすべしてくる。アメリカのイリノイ地方の頁岩中から分離されたので、この名がついた。
[松原 聰]