インドメタシン(その他表記)indomethacin

翻訳|indomethacin

デジタル大辞泉 「インドメタシン」の意味・読み・例文・類語

インドメタシン(indomethacin)

非ステロイド性抗炎症薬の一。消炎解熱鎮痛作用があり、関節炎関節リウマチなどの治療に用いられるほか肩こり腰痛筋肉痛塗り薬や湿布薬にも配合される。化学式C19H16ClNO4

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改訂新版 世界大百科事典 「インドメタシン」の意味・わかりやすい解説

インドメタシン
indomethacin



薬理作用として解熱・鎮痛・抗炎症作用をもち,アスピリンとならんで最も代表的な非ステロイド抗炎症薬。関節リウマチなど,痛みを伴うさまざまの炎症性疾患の症状を抑えるための対症療法薬として使用される。きわめて強力ではあるが副作用もまた強いために警戒しながら使用されているステロイド抗炎症薬の欠点を改良することを狙って,アメリカのシェンT.Y.ShenとウィンターC.A.Winterが1963年につくりあげた薬物で,その後数多くつくられてきた非ステロイド抗炎症薬のさきがけをなしたというだけでなく,それらのなかでも最も強力な部類に属し広く使われている。本質的な作用メカニズムはアスピリンと同じで,局所ホルモンとして知られるプロスタグランジン類の生合成の基本的な酵素であるシクロオキシゲナーゼの働きを抑えるためである。副作用として胃腸障害をおこしやすい点もアスピリンに似ている。
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化学辞典 第2版 「インドメタシン」の解説

インドメタシン
インドメタシン
indometacin

1-(p-chloro-benzoyl)-5-methoxy-2-methylindole-3-acetic acid.C19H16ClNO4(357.79).ρ-メトキシフェニルヒドラジンとアセトアルデヒドとの反応物をρ-クロロベンゾイルクロリドでアシル化し,加水分解後,レブリン酸と加熱閉環すると得られる.白色~淡黄色の微細な結晶.融点155 ℃ と162 ℃ の2形がある.エタノールエーテルアセトンに可溶,水に不溶.光によって黄褐色に着色する.シクロオキシゲナーゼを阻害することによりプロスタグランジンの生合成を抑制する.pKa 4.5.効力が強く,低毒性の消炎,鎮痛薬.関節リウマチ,痛風発作など炎症性疾患に用いる.LD50 50 mg/kg(マウス,経口).[CAS 53-86-1]

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「インドメタシン」の意味・わかりやすい解説

インドメタシン
いんどめたしん
indometacin

アメリカのメルク社によって開発された非ステロイド系の消炎鎮痛剤で、その作用はヒドロコルチゾンにも勝る強力な薬剤である。関節リウマチ、変形性関節症、腰痛などの疼痛(とうつう)の軽減、炎症の除去に繁用されている。副作用として胃腸症状、消化性潰瘍(かいよう)などがあり、長期間連用すると副作用の発現も多くなる。製剤として、カプセル(25ミリグラム)、徐放カプセル(25ミリグラム、37.5ミリグラム)、坐薬(ざやく)(25ミリグラム、50ミリグラム、100ミリグラム)、軟膏(なんこう)(1%)がある。

[幸保文治]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「インドメタシン」の意味・わかりやすい解説

インドメタシン
indomethacin

非ステロイド性の解熱鎮痛剤。慢性関節リウマチならびに関連疾患の治療薬として 1963年に開発された。インドメタシンはインドール誘導体であるが,作用機序はサリチル酸誘導体と同様,プロスタグランジン生合成阻害によると考えられている。そのため,抗炎症作用のほかに血栓,狭心症,心筋梗塞,月経困難症などにも応用されはじめている。副作用として食欲不振,吐き気,腹痛,消化性潰瘍などの消化器障害が最も多く,頭痛,めまい,白血球減少症,血小板減少などもみられることがある。

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栄養・生化学辞典 「インドメタシン」の解説

インドメタシン

 C19H16ClNO4 (mw357.79).

 非ステロイド系の抗炎症剤で,作用機構は,アセチルサリチル酸と類似しており,プロスタグランジンの合成阻害作用によって作用が発現すると考えられている.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のインドメタシンの言及

【解熱鎮痛薬】より

…このような作用をもつプロスタグランジンの生合成を抑制すれば,炎症痛を和らげることができる。アスピリンのほか,この系統に属する薬物としては,インドメタシン,イブプロフェンなど多数が実用化されている。アスピリン様薬物は,炎症痛を抑えるという意味のほかに,炎症性の浮腫を抑えるという意味から抗炎症薬の定義に適合する薬物である。…

※「インドメタシン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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