出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
男性用のケープ付き袖なし外套。スコットランド北部の都市インバネスにちなむ名。明治元年に輸入、改造されて男性の和服用防寒コートとして用いられた。とんび。二重回し。《季 冬》「子に靴を穿(は)かす―地に触り/誓子」
[補説]地名別項。→インバネス
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
英国,スコットランド北東,マリー湾の奥に位置するハイランド州の州都。カレドニア運河によってネス湖を経てリニ湾に通じる。シェークスピア悲劇のマクベスがダンカン王を殺害したとされる城があった。造船・醸造・紡績工業がある。4万1000人(2001)。
→関連項目ネス[湖]|ハイランド
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
イギリス,スコットランド北部にあるハイランド州(旧,インバネス州)の州都。人口5万6557(1981)。モレー湾に注ぐネス川の河口に位置し,またカレドニア運河の入口にもあたるため,ハイランド地方の商業・交通の中心地となっている。海港を有し,羊毛,車両,ウィスキー醸造などの工業も発達する。古代にはピクト人の主都であり,11世紀以降はマクベス城下の王立都市として繁栄した。クロムウェルが建設した要塞も残るが,現在の城は1835年に建設されたものである。
19世紀の男子洋服コート。袖の代りにケープが付く。名はスコットランドの都市インバネスにちなむもので,幕末に洋服をとり入れた日本でもこれが着用され,その形から鳶(トンビ)と呼ばれた。福沢諭吉が片山淳之助の名で著した《西洋衣食住》(1867)に,〈合羽 マグフエロン 日本ニテ俗ニトンビト云〉とある。このケープ式袖付は和服の上に着られるので,和装防寒コートに利用された。明治初年から,その着用が見られる。大阪の豪商松本重太郎は1870年(明治3)に,心斎橋通りでトンビ商を開いた。
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
〘名〙 (inverness) 長くてゆったりしたそでなしでケープ付きの男性用外套。これを長くして和服用にしたものを二重まわしという。本来は燕尾服の上にのみ着用するもの。とんび。《季・冬》
※魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前「茶色のインバネスに同じ色の背広」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報