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アメリカの中国社会経済史家。ユダヤ系ドイツ人としてハノーバーに生まれる。ハイデルベルク大学でマックス・ウェーバーに師事、ドイツ共産党員として活動する一方、『市民社会史』(1924)を発表。1925~1933年の間、フランクフルト社会研究所員として中国研究に専念。この時期の代表的著作『解体過程にある中国の経済と社会』(1931)は、マルクス主義の立場から、旧中国の専制的官僚支配の基盤を大規模な国家的治水事業に求めて注目を集めた。1933年ナチスに追われてアメリカに亡命し、コロンビア大学中国史研究会会長、ワシントン大学教授を歴任。中国滞在(1935~1937)の成果である『東洋的社会の理論』(1938)は名高い。第二次世界大戦後、『東洋的専制主義』(1957)ほかの著作で、ソ連、中国を全体主義国家とする立場を表明したが、その「水力社会の理論」は再評価されている。
[望月清司]
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1896~1988
アメリカの中国研究家。ドイツに生まれ,ハイデルベルク大学ではマックス・ヴェーバーに師事。労働運動に従事しながら史的唯物論による中国研究を進める。1934年,ナチス政権をさけてアメリカに亡命。太平洋調査会,コロンビア大学,ワシントン大学などでアジア社会の研究を続け,灌漑治水をもってアジアの官僚国家体制と専制主義を解明しようとした。主著は『東洋的専制主義』(Oriental Despotism,1952)。
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…したがって中国の水問題の根本的解決は長江水系の水をいかに多量に華北に送水するかということにあり,現在いろいろの計画がなされている。 ところで,中国の治水灌漑について,ウィットフォーゲルの有名な〈水の理論〉ともいうべき説がある。彼の説は大規模かつ統合的な治水,灌漑の必要性が強大な中央集権的官僚制国家を生み出したということにあるが,中国最初の統一国家である秦・漢帝国は華北を基盤に成立したものであり,この時代にはすでに中国社会の諸特質もほぼ成立している。…
…要するにこの種の組織化が始まることによって,当初は一時的であり限定されていた指導権が恒久化し強化され,ついには世襲化ないしは制度化されて,国家的機構の基礎が築かれるというのである。 従来,国家の起源をめぐって,たとえばF.オッペンハイマーやR.トゥルンワルトが唱えた征服説や,K.A.ウィットフォーゲルの灌漑説などが注目を浴びたが,それらは,サービスの理論によれば,上述の組織化と指導権の制度化を生み出すいくつかの要因の一つにすぎないことになる。国家形成へいたる道筋は必ずしも一つではなく複数でありうるという見解はR.コーエンやL.クレーダーによっても示されている。…
…一般には,他民族を征服して樹立された王朝をいい,その例は世界史上に広く見られるが,とくに中国に対する北方民族の征服行為の結果生まれた中国王朝の一類型を指す語として用いられることが多い。この場合は,正しくは中国征服王朝といい,ウィットフォーゲルが馮家昇(ふうかしよう)との共著《中国社会史――遼(907‐1125)》(1949)の序論で説いた概念として知られる。彼は中国王朝を典型的中国王朝と中国征服王朝に分けた。…
※「ウィットフォーゲル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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