シンプソン夫人(読み)シンプソンふじん(英語表記)Wallis Warfield Spencer Simpson, Duchess of Windsor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シンプソン夫人」の意味・わかりやすい解説

シンプソン夫人
シンプソンふじん
Simpson, Wallis Warfield(Duchess of Windsor)

[生]1896.6.19. ペンシルバニア
[没]1986.4.24. パリ
ウィンザー公夫人。生後5カ月で父を失い,叔父のもとで私立学校を卒業。 1916年アメリカ海軍士官と結婚するが 27年に離婚。翌年イギリスの船舶事業家 E.シンプソンと再婚。 30年にイギリスのエドワード皇太子と運命的な出会いをし,やがて夫とは別居。一方皇太子は 36年1月にエドワード8世として即位したが,同年 12月王位を弟ジョージ6世に譲り,翌 37年シンプソン夫人と結婚。当時「世紀の恋」として世界中の注目を集めた。その後,イギリス王室とは距離をおきながらも,公が亡くなる 1972年までの 35年間,2人はフランスで結婚生活を過した。夫人の没後王室は夫人がウィンザー城内の夫の墓の隣に埋葬されることを許した。自叙伝『心にも言い分がある』 The Heart Has Its Reasons (56) がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シンプソン夫人」の意味・わかりやすい解説

シンプソン夫人
しんぷそんふじん
Wallis Warfield Spencer Simpson, Duchess of Windsor
(1896―1986)

イギリスの元国王エドワード8世(ウィンザー公。1894―1972)夫人。1931年、後のエドワード8世と出会い、恋に落ちた。彼女がアメリカの庶民であり、しかもアメリカの海軍士官、イギリスの株式仲買人との二度の離婚歴をもつ(二度目の離婚成立は36年10月)ことから、即位していた国王との結婚に強い反対の声があがり、内閣賛意を表さなかったので、国王は結婚のために退位を選んだ。1937年6月の結婚後は、主としてフランスで暮らしたが、86年4月24日死去。遺体はロンドン西郊にあるウィンザー城内の夫の墓の隣に埋葬された。

[木畑洋一]

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