ウィンザー家(読み)ウィンザーけ(その他表記)house of Windsor

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ウィンザー家」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー家
ウィンザーけ
house of Windsor

イギリスの王家。歴代君主ジョージ5世在位 1910~36),エドワード8世(在位 1936。→ウィンザー公),ジョージ6世(在位 1936~52),エリザベス2世(在位 1952~2022),チャールズ3世(在位 2022~ )。王位継承者はケンブリッジ公ウィリアム。ウィリアムの長男ジョージ・アレクサンダー・ルイが王位継承順位第2位。
旧称はサックス=コーバーグ=ゴーサ家(ドイツ名ザクセン=コーブルク=ゴータ Sachsen-Coburg-Gotha,または Sachsen-Coburg und Gotha)で,ハノーバー朝の最後の君主となったビクトリア女王(在位 1837~1901)の夫アルバートのドイツの家名にちなむ。ビクトリア崩御に伴い王位を継いだ長男のエドワード7世(在位 1901~10)がハノーバー家から改称したが,第1次世界大戦による反ドイツ感情の高まりをうけて,ジョージ5世が 1917年7月17日付勅令により,ビクトリア女王の男系子孫でかつイギリス国民である者は全員王宮ウィンザー城にちなみ,以後ウィンザー姓を名のると宣言した。なお,エリザベス2世の子の姓は,通常であれば父親であるエディンバラ公フィリップの姓マウントバッテン Mountbatten(ドイツ名バッテンベルク Battenbergの英語表記)になるが,エリザベス2世は 1952年の即位後まもなく,自身の子および子孫をウィンザー姓とする旨を枢密院において宣言した。この決定は 1960年2月8日に改められ,王子・王女身分および殿下敬称をもたない子孫の姓はマウントバッテン=ウィンザーとすることになった。(→イギリス史

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改訂新版 世界大百科事典 「ウィンザー家」の意味・わかりやすい解説

ウィンザー家 (ウィンザーけ)

イギリス王室名称で,1917年以来用いられるようになった。ハノーファーHannover家の直系。1714年アン女王の死去に伴い,王位継承法(1701)に基づき新教徒であったドイツのハノーファー選帝侯が,ジョージ1世としてイギリス王位に迎えられ,スチュアート朝に替わってハノーバー朝が始まる。しかし1837年ビクトリア女王が即位すると,女子相続を認めないドイツのハノーファー家との同君統治の関係は消滅し,女王の死後の1901年,エドワード7世は,父アルバートの出身によりサックス・コーバーグ・ゴータSaxe-Coburg-Gotha家と改称した。その後,第1次世界大戦中ジョージ5世(在位1910-36)は,国民感情を考慮し,敵国であるドイツ風のこの呼称を廃し,王宮所在地にちなみウィンザーWindsor家と改めた。それ以後,エドワード8世(在位1936),ジョージ6世(在位1936-52)を経て,現女王エリザベス2世(在位1952- )に至っている。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ウィンザー家」の解説

ウィンザー家(ウィンザーけ)
Windsor

現在のイギリス王家の名称。第一次世界大戦中の1917年,国王ジョージ5世が交戦国であったドイツ系の名称を廃止し,それまでのエドワード7世以来のサックス・コバーグ・ゴータ家という名称に代えて王宮の所在地の名を新しい王室名とした。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ウィンザー家」の解説

ウィンザー家
ウィンザーけ
Windsor

1917年以降のイギリス王室
1714年以来,イギリス王室はドイツ系のハノーヴァー家が継いでいたが,第一次世界大戦勃発後の1917年,ジョージ5世は敵国であるドイツ系の家名を廃止,王宮の所在地にちなんで改称した。

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世界大百科事典(旧版)内のウィンザー家の言及

【ハノーバー朝】より

…この王朝は,その後名称を変えながら現在まで継続している。すなわち,1901年,ビクトリア女王が没し,エドワード7世が即位するに際して,父(アルバート公)の家名であるサックス・コーバーグ・ゴータSaxe‐Coburg‐Gotha家と改称,さらに,17年にはドイツ系の名前を嫌って,ウィンザー家と再改名し,現在に至っている。 ジョージ1世時代(1714‐27)の1715年には,スコットランドにジャコバイト(ジェームズ2世の子孫を戴く)の乱が発生したが,鎮圧された。…

※「ウィンザー家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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