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ウェルゲラン Wergeland, Henrik Arnold

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウェルゲラン
Wergeland, Henrik Arnold

[生]1808.6.17. クリスティアンスン
[没]1845.7.12. クリスチャニア(現オスロ)
ノルウェーの詩人。牧師の子に生れ大学では神学を学んだが,植物学,歴史,医学などに興味を寄せたり,けんかや恋愛にも情熱を燃やし,早くから若い世代の指導者になった。当時ノルウェーはようやく独立をかちとったが,久しいデンマークの統治で文化もデンマーク化していた。自国の文化をどのように育てるかで議論が沸騰したなかで,彼は詩人ウェルハーベンがデンマークとの協調を説いたのに対し,古代ノルウェーの偉大な伝統に立つ独自の文化を育てることを強調し,熱誠の論陣を張り,全国を講演して回って愛国精神の喚起と国民の啓蒙に努め,全国民の敬愛を受け,国民詩人と仰がれた。代表作『創造・人間・救世主』 Skabelsen,Mennesket og Messias (1830) は壮大な叙事詩で,人間の未来に対する明るい信念に貫かれている。ほかに『ヤン・ファン・ホイスムの花』 Jan van Huysums blomsterstykke (40) ,『ユダヤ人』Jøden (42) ,『英国人の水先案内人』 Den engelske lods (44) など。女流作家 C.コレットは妹。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウェルゲラン【Henrik Arnold Wergeland】

1808‐45
ノルウェーの国民的詩人。祖国の文化的自立をめざし破格の熱情と独創性を示した。《詩集第1集》(1829)の青春詩の中心には,半ば幻想的な理想の女性ステラの姿がある。代表作《創造・人間・救世主》(1830)は標題どおりの3部からなる壮大な劇詩。革命思想に染まり,伝統を重んじる詩人ウェルハーベンとの確執は有名である。1838年に牧師資格を得て〈人民の教師〉たらんとしたが拒否された。【毛利 三弥】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウェルゲラン
うぇるげらん
Henrik Wergeland
(1808―1845)

ノルウェーのロマン派詩人。ノルウェー憲法の制定に従った牧師の子として生まれ、大学では神学のほか植物学、医学などを学んだ。急進的な愛国者として全国を講演旅行して歩き、それまで支配的だったデンマーク文化を排斥して民族的な国民文化の創成に努めた。代表作の長編叙事詩『創造、人間および救世主』(1830)は、人類の無限の進歩、人間精神の究極の勝利に対する絶大の信頼に貫かれた力強い作。デンマークとの協調を説いた詩人ウェルハーベンとの激しい論争は有名。ノルウェー独立期の国民詩人として大きな影響を与えた。ほかに『ヤン・ファン・ホイムスの花の絵』『イギリスの水先案内人』などがあり、短い叙情詩にも優れた作がある。[山室 静]

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