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ウェーリー Waley, Arthur David

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ウェーリー
Waley, Arthur David

[生]1889.8.19. ロンドン
[没]1966.6.27. ロンドン
イギリスの東洋文学研究者,詩人。ケンブリッジ大学に学ぶ。大英博物館東洋版画絵画部副主事として資料の整理,充実に努めるかたわら,中国,日本の古典の研究,英訳に一生を捧げた。『源氏物語』の英訳"The Tale of Genji" (6巻,1925~33) には定評があるが,ほかに『枕草子』 ("The Pillow-Book of Sei Shōnagon" 27) ,和歌,謡曲,物語類の抄訳があり,中国については『漢詩 170首』 (18) をはじめ,『論語』『詩経』『易経』『西遊記』,老子の『道徳経』,その他多くの英訳を残したが,中国,日本来訪の経験はない。イギリス学士院会員,日本学士院客員会員。

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百科事典マイペディアの解説

ウェーリー

英国の東洋学者,翻訳家。ケンブリッジ大学卒業後,独習中国語日本語を修得した。《中国詩百七十篇》(1918年,改訂版1927年),《源氏物語》の翻訳(6巻,1925年―1933年),《枕草子》の翻訳(1928年)などは,原文の趣を生かした美しい訳文で,中国・日本文学を世界に紹介しただけでなく,当時の英文学に少なからぬ影響を与えた。
→関連項目サイデンステッカー

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

ウェーリー Waley, Arthur David

1889-1966 イギリスの東洋学者。
1889年8月19日生まれ。ケンブリッジ大を卒業し,大英博物館につとめる。日本語と中国語を独習。1925-33年「源氏物語」,1928年「枕草子」を翻訳。中国関係では「論語」「西遊記」などを翻訳した。日本や中国を一度もおとずれなかった。1966年6月27日死去。76歳。ロンドン出身。

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世界大百科事典 第2版の解説

ウェーリー【Arthur David Waley】

1889‐1966
イギリスの東洋学者。ケンブリッジ大学古典学科を卒業,大英博物館版画部門に勤めつつ,日本語,中国語を独習,《中国詩百七十篇》(1918,改訂1927)を手はじめに漢詩の翻訳を手がけ,さらに《源氏物語》の翻訳(6巻,1925‐33),《枕草子》の翻訳(1928)によって日本古典文学を世界に紹介した。彼の漢詩の翻訳は,エズラ・パウンドのそれのようにイメージを中心にしたものとは異なって,原詩のリズムを写すことによって新しい詩法を編み出すことになった。

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大辞林 第三版の解説

ウェーリー【Arthur David Waley】

1889~1966) イギリスの東洋学者。「源氏物語」「論語」「李白」「元朝秘史」など、日本・中国の古典に関する多くの訳書・著書がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ウェーリー
うぇーりー
Arthur David Waley
(1889―1966)

イギリスの東洋学者。ロンドンに生まれる。ケンブリッジ大学卒業。1912年から30年まで大英博物館勤務、以後、職を去って学究生活に入るが、若干の友人との交際を除いてほとんど世間と没交渉であった。日本および中国の古典の翻訳やそれらについての論著多数がある。ことにその翻訳は豊かな鑑賞力と優れた文体とを駆使して読者に強い感銘を与えた。中国詩歌の翻訳が同時代の詩人イェーツやエズラ・パウンドに影響を及ぼしていることはよく知られている。おもな訳著に『中国詩百七十首』(1919)、『源氏物語』(1925~32)、『論語』(1938)、『詩経』(1937)、『Three Ways of Thought in Ancient China』(1939)などがある。[村山吉廣]

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世界大百科事典内のウェーリーの言及

【日本研究】より

…歴史家マードックJames Murdoch(1856‐1921),作家L.ハーン,神道研究家ポンソンビー・フェーンRichard Arthur Ponsonby‐Fane(1878‐1937)らは,いずれも日本で英語教師を務めながら研究を進めたのである。このような傾向は,30年代以降に注目すべき成果をあげた,《源氏物語》の訳者A.D.ウェーリー,歴史家G.B.サンソムやボクサーCharles Ralph Boxer(1904‐ ),経済学者アレンGeorge Cyril Allen(1900‐82)らにも共通している。ウェーリーの業績は,大英博物館所蔵の和書の充実の副産物であり,他の3名の場合は,外交や教育に関連して滞日した経験に端を発している。…

【変文】より

…《敦煌変文集》(北京,1957)はこれらの作品をも含めた包括的な集成であるが,その本文校訂はまだ不十分であり,豊富に用いられている当時の口語についても,十分には解明されていない。欧米学者による翻訳・研究としては,A.ウェーリー《Ballads and Stories from Tun‐huang》(1960)が最初の紹介の試みであり,メーアVictor Mair《Tun‐huang Popular Narratives》(1983)は内外の研究成果を踏まえた綿密な業績である。変相図【入矢 義高】。…

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