サイデンステッカー(読み)さいでんすてっかー(その他表記)George Edward Seidensticker

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サイデンステッカー」の意味・わかりやすい解説

サイデンステッカー
さいでんすてっかー
George Edward Seidensticker
(1921―2007)

アメリカの日本文学研究家。コロンビア大学教授。コロラド州出身。コロンビア大学で政治学を専攻東京大学で日本文学を学ぶ。王朝文学から永井荷風に及ぶ翻訳、研究で有名。川端康成(やすなり)のノーベル文学賞受賞には、『雪国Snow Country(1956)、『千羽鶴(せんばづる)』Thousand Cranes(1959)の名訳貢献した。『源氏物語The Tale of Genji(1978)の訳業、『現代日本作家論』(1964)、『源氏日記』(1980)、『日本との50年戦争』(1994)、ワシントン大学出版部刊行の『回想録――東京セントラル』(2002)などの著がある。1996年(平成8)には、山片蟠桃(ばんとう)賞を受賞した。

[千葉宣一]

『安西徹雄訳『源氏日記』(1980・講談社)』『安西徹雄訳『立ちあがる東京――廃墟、復興そして喧騒の都市へ』(1992・早川書房)』『安西徹雄訳『日本との50年戦争――ひと・くに・ことば』(1994・朝日新聞社)』『安西徹雄訳『流れゆく日々――サイデンステッカー自伝』(2004・時事通信社)』『安西徹雄訳『東京下町山の手』(ちくま学芸文庫)』『『好きな日本好きになれない日本』(1998・廣済堂出版)』『谷沢永一・山野博史監修、大阪府生活文化部文化課著『山片蟠桃賞の軌跡』(1993・清文堂出版)』『伊井春樹著『世界文学としての源氏物語――サイデンステッカー氏に訊く』(2005・笠間書院)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サイデンステッカー」の意味・わかりやすい解説

サイデンステッカー
Seidensticker, Edward George

[生]1921.2.11. アメリカ合衆国,コロラド,デンバー近郊
[没]2007.8.26. 東京
アメリカ合衆国の日本文学研究家。コロラド大学英文科を卒業後,海軍日本語学校に学び,海兵隊情報将校の任務につく。第2次世界大戦後の一時期,佐世保駐留。 1946年に帰国してハーバード大学で日本文学を専攻。 1948年に再び外交官として来日,東京大学で日本文学を学んだ。帰国して,コロンビア大学教授に就任上智大学スタンフォード大学ミシガン大学でも教鞭をとった。『源氏物語』をはじめとする王朝文学から,永井荷風などの現代文学まで,翻訳や研究書によって日本文学を世界に紹介し,その評価を高めることに貢献した。川端康成がノーベル文学賞を受賞した背景には,彼の手になる『雪国』 (Snow Country,1956) や『千羽鶴』 (Thousand Cranes,1959) の名訳の存在があった。特に 1975年に完了した『源氏物語』 (The Tale of Genji) の全訳は国際的に高い評価を得,1977年に菊池寛賞を受賞した。著書に『現代日本作家論』 (1964) ,『東京 下町 山の手』 (1983) などがある。 1975年勲三等旭日中綬賞を受賞。

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百科事典マイペディア 「サイデンステッカー」の意味・わかりやすい解説

サイデンステッカー

米国の日本文学研究家。コロンビア大学,ハーバード大学などで学んだ。1947年から外交官として滞日,1950年から東京大学大学院で平安朝文学を研究した。《雪国》その他の見事な翻訳(1956年)で川端康成のノーベル賞受賞にも貢献。《源氏物語》の翻訳(1976年)はアーサー・ウェーリーのものと並んで評価される。《東京 下町 山の手》(1983年)などの著作もある。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「サイデンステッカー」の解説

サイデンステッカー Seidensticker, Edward George

1921-2007 アメリカの日本文学研究者。
1921年2月11日生まれ。昭和22年アメリカ国務省職員として来日,25年退職して東大大学院で平安朝文学を研究。上智大,スタンフォード大,ミシガン大,コロンビア大などでおしえた。谷崎潤一郎,川端康成らの作品や「源氏物語」などを翻訳して海外に紹介。平成19年8月26日東京都内で死去。86歳。コロラド州出身。コロラド大卒。訳書に「かげろふ日記」「細雪」など。著作に「現代日本作家論」など。

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