イランの詩人,天文学・数学・医学・科学者。オマル・ハイヤームとも呼ばれる。ニーシャープールに生まれ,26歳でセルジューク朝のスルタン,マリク・シャーの宮廷に登用された。多くの科学書をはじめ,《マリキー暦》あるいは《ジャラーリー暦》と呼ばれる正確な暦を残す。イランの新年(ノウルーズ)の歴史・祭祀を記した《新春の書》も彼の著作といわれる。100首から2000首まで,さまざまの説がある彼の《ルバーイヤート(四行詩集)》は,19世紀末にイギリスの詩人E.フィッツジェラルドの名訳によって全世界に知られている。日本でも明治41年(1908)蒲原有明による邦訳をはじめ,20種以上の訳詩がある。刹那主義者,唯物主義者,運命論者とも評されている。
執筆者:岡田 恵美子
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…代数学の原語algebraはその書名に由来しており,算法を意味するアルゴリズムalgorithmもフワーリズミー(アルは冠詞)の名を語源としている。さらに12世紀の詩人ウマル・ハイヤームは天文学者,数学者でもあり,改暦に従事し,代数学の書を残した。それには円錐曲線の交点を用いて三次方程式を解く方法が述べられている。…
…11世紀後半から12世紀前半にかけてのセルジューク朝支配時代にはペルシア詩は質量ともに最高潮に達し,宮廷詩人としてはムイッジーMu‘izzīをはじめ,頌詩の最高詩人アンワリーが現れた。異端イスマーイール派を信奉した神学・哲学詩人ナーシル・ホスローや,ペルシア詩の代表詩人として世界的に有名な《ルバーイヤート(四行詩集)》詩人ウマル・ハイヤームが活躍したのもこの時代である。 10世紀以来ペルシア詩人の活躍地域は保護者たる王朝の版図の関係上,中央アジアからイラン東部に限られていたが,11世紀後半からセルジューク朝の勢力拡大に伴い,ペルシア詩人の活動地域もしだいにイラン全域に広がり,とくにカスピ海西方地域アゼルバイジャン地方では,12世紀後半にホラーサーン派詩人と覇を競う優れた詩人たちが輩出し,アゼルバイジャン派詩人と呼ばれ,〈古典ホラーサーン・スタイル〉を脱して新しい〈イラク・スタイル〉を生み,ペルシア詩の発展に多大の貢献をした。…
※「ウマルハイヤーム」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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