ウマル(読み)うまる(その他表記)Maulvi Muhammad Umar

デジタル大辞泉 「ウマル」の意味・読み・例文・類語

ウマル(‘Umar)

[?~644]イスラム教第2代正統カリフ。在位634~644。シリアエジプトを征服して版図拡大。また、イスラム暦採用軍事・行政上の諸制度を定め、イスラム帝国基礎確立した。ウマル1世オマル

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精選版 日本国語大辞典 「ウマル」の意味・読み・例文・類語

ウマル

  1. ( ‘Umar )[ 異表記 ] オマル イスラム教の第二代正統カリフ(在位六三四‐六四四)。マホメット事業を継ぎ、版図を拡大、イスラム暦の確立などアラブ帝国の基礎を築いた。(五八一頃‐六四四

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ウマル」の意味・わかりやすい解説

ウマル(Maulvi Muhammad Umar)
うまる
Maulvi Muhammad Umar
(1959?―2013)

アフガニスタンタリバン勢力の最高指導者。オマルOmarとも。パシュトゥン民族ヌールザイ氏族の人物で、ウルズガーン州出身。アフガニスタンに駐留(1979~1989)していた旧ソ連軍と戦うゲリラ一員であったが、イスラム教スンニー派の宗教学者になり、1994年8月ごろ、タリバン組織を創設したといわれる。厳格な宗教指導者として知られ、タリバンがアフガニスタンにおいて支配的勢力であった2001年まで「アミール・アルムーミニーン」(信徒たちの長)の地位から、シャリーア(イスラム法)に基づく諸政策を、アフガニスタン南部のカンダハール市のタリバン本拠地から首都カブールの政府に対して指令した。この時期、首都カブールで毎週公開処刑が行われるなど、ウマル以下のタリバン勢力の恐怖政治が国際的に問題視された。アフガニスタン政府は2013年にカラチパキスタン)の病院で死亡したと発表した。

[深町宏樹 2018年4月18日]


ウマル(‘Umar b. al-Khaāb)
うまる
‘Umar b. al-Khaāb
(?―644)

正統第2代カリフ(在位634~644)。ウマル1世、オマルともいう。メッカに生まれ、反ムハンマド(マホメット)からムスリムとなり、教団の重鎮となった。カリフとして大征服を拡大する一方、イスラム紀元の制定、カリフの称号として「信者の長」(アミール・アルムーミニーン)の採用、軍事都市ミスルの建設、アラブ諸族をディーワーン(省、庁)に軍人(ムカーティラ)として登録するなど、イスラム国家の組織化に努めた。

[花田宇秋]

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ウマル」の解説

ウマル
‘Umar

581?~644(在位634~644)

第2代正統カリフウマイヤ朝カリフのウマルと区別するため,ウマル1世ともいう。イラク,シリア,エジプト,イランを征服した。征服地からの規則的な租税の徴収,アラブ戦士への俸給支給のためのメディナの記録所ディーワーンの開設,アミール・アルムーミニーンという称号,ヒジュラ紀元(イスラーム暦)の採用は彼の業績である。

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旺文社世界史事典 三訂版 「ウマル」の解説

ウマル
‘Umar

581ごろ〜644
イスラームの第2代正統カリフ(在位634〜644)
初めムハンマドらを迫害したが,617〜618年ごろ改宗して最も忠実な弟子となり,アブー=バクルについで第2代正統カリフに就任。彼の時代,ビザンツ帝国からシリア・パレスチナ・エジプトを奪い,642年ニハーヴァンドの戦いでササン朝に大勝した。軍事・行政に手腕を発揮し,イスラーム発展の基礎をつくった。ヒジュラ紀年法を最初に使ったことでも知られる。

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世界大百科事典(旧版)内のウマルの言及

【サイイド・エジェル】より

…中国,元初の武将,行政官。本名シャムス・アッディーン(贍思丁),別名ウマル(烏馬児)といったが,預言者ムハンマドの子孫を示す称号,サイイドで呼ばれた。中央アジアのブハラ出身でチンギス・ハーンの西征のときに服属し,以後世祖フビライまでの5代に仕えた。…

※「ウマル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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