アフリカ中東部,コンゴ民主共和国とウガンダの国境にまたがる湖。アフリカ大地溝帯内にあり,湖面標高912m,面積2150km2,最大深度111mを示す。北岸からセムリキ川が流出して北北東のアルバート湖へ注ぎ,さらに白ナイル川となる。北東のジョージ湖とはカジンガ水路で結ばれる。水質は強アルカリ性であり(カワスズメの仲間のテラピア類などが豊富),付近はツェツェバエやハマダラカが密に分布するため,生活には不向きである。ただし,風景美と野獣類の多彩さで,両国側とも国立公園区に含められている。観光や湖面交通の基地は北岸にあるウガンダのカトウェである。1875年H.スタンリーにより発見され,ビクトリア女王の夫の名を与えられた。彼はアルバート湖と連結していると考えたが,89年その独立性を確認した。
執筆者:戸谷 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
アフリカ中東部にある湖。ウガンダとコンゴ民主共和国(旧ザイール)の国境にまたがり、アフリカ大地溝帯の西リフト・バレーの北部地溝底に位置する。長さ80キロメートル、幅48キロメートル、面積2150平方キロメートル。湖水面高度は915メートル、水深111メートル。湖の北西と南東は急斜面の湖岸により限られているが、南から流入するルインディ川やルトシュル川は沖積低地を形成し、北はセムリキ川がアルバート湖へと流出し、北東は長さ40キロメートルにわたるカジンガ運河によってジョージ湖と結ばれている。この運河の入口に湖岸の港町ウガンダのカトゥエがある。鳥獣類とともに魚類も豊富である。1876年ヘンリー・スタンリーが到達し、アルバート・エドワード・ニャンザ湖と称したが、89年に互いに独立した湖であることが確認されて、1909年に現在の呼称となった。湖面の3分の2はコンゴ民主共和国領内にあり、アルベール国立公園の一部をなし、ウガンダ領内の部分はルウェンゾリ(旧クイーン・エリザベス)国立公園に属する。
[堀 信行]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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