改訂新版 世界大百科事典 「エンケラドス」の意味・わかりやすい解説
エンケラドス
Enceladus
土星の第II衛星。1789年,W.ハーシェルによって発見され,ギリシア神話の巨人の名にちなんで名づけられた。軌道半径23万8100km(土星半径の3.95倍),公転周期1.370218日。半径250km,質量8.4×1022g(土星の1.48×10⁻7倍)。平均密度は1.28g/cm3でほとんど氷でできていると思われる。表面はクレーターの多い部分と少ない部分があるが,少ない部分には割れ目のような筋が見られる。またクレーターが溶けたような地形があり,これは1億年以内に土星とすぐ外側をまわっているディオーネの潮汐力によるひずみが熱エネルギーとして蓄えられ,表面を溶かしてできた地形と考えられる。
執筆者:田中 済
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報